2005年12月23日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】連邦最高裁は十七日、麻薬組織の一員として逮捕され収監されていた、サッカーの王様ことペレー元選手の長男エジーニョ被告に対し、保釈を認める判決を下した。これにより今年六月に他の一味十一人とともに逮捕され起訴された同被告は六カ月ぶりにシャバに戻った。
最高裁は同被告が初犯で住宅も特定され、逃亡の危険がないとの判断に基づき保釈を認めた。弁護団は管轄のサントス市地裁や高裁に保釈申請をしたがことごとく拒否された経緯があり、今回の最高裁の決定は関係者に驚きをもって迎えられた。
保釈に関しては先に富豪の実の両親を殺害した首謀者の娘とその恋人ら兄弟の実行犯が罪を認めているにもかかわらず、仮釈放されて非難が湧き起こったばかりで、今回でさらに司法省内部の見解の不統一が暴露され、議論を呼ぶのは必至とみられている。
法に疎い巷では、今回の判決理由と同じ境遇者の受刑者はゴマンといるはずで、さらに同時に逮捕された十一人の中で何故エジーニョ被告のみが優遇されるのかとの疑問が出ている。この点については、やはりペレーの息子ということで、ブラジル式のやり方が背後にあるとの見方に落ち着いている。
同被告は同日午後、ヴァレ・ド・パライーバ市のトレメンベー刑務所を後にしてサントスの自宅のマンションに戻り、家族と再会した。同被告は逮捕時父親のペレー元選手とともに涙の会見で罪を報いると発言し同情を誘ったが、今回の保釈で態度を一転させて弁護団を通じて無実を主張、捜査はデッチ上げだとする声明を発表した。この豹変ぶりは一般に冷ややかに受け止められている。