2005年12月24日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】ルーラ大統領は二十二日、訪問先のミナス・ジェライス州で演説し、国道や州道が補修されずひどい状態となっているのは各州知事の怠慢が原因だと批判した。
大統領は、連邦政府は各州に対し補修予算を交付したにもかかわらず、その交付金は別の用途に使われ本来の目的を達していないと指摘した。その上でこの内情を知らない国民の不満が政府に集中し、政府は迷惑をこうむっているとの立場を強調した。これに対し各州知事は一斉に反発、大統領の舌禍として追及する構えを見せており、来年の大統領選挙を視野に入れた大統領発言がまた論議を呼びそうな様相を呈している。
大統領はモンテス・クラロス市で約二千人の群衆を前に演説し、国道の不備は各州知事の責任だと明言した。その中でミナス州の中心部を走る国道一三五号線三〇〇キロがひどい状態になっている点に触れ、この責任はイタマル・フランコ前州知事(ブラジル民主運動党=PMDB、元大統領)の怠慢および非行によるものだと叫弾した。
ルーラ大統領によると、二〇〇二年の大統領選挙に当選した時点で、時のカルドーゾ大統領にかけ合い、十州の国道一万四〇〇〇キロを整備するための補正予算を要求した。それが認められ、カルドーゾ大統領は暫定令八二号で交付金を承諾した。このうち七億八〇〇〇万レアルがミナス州に交付されたが、時のフランコ知事は大部分を遅配となっていた十三カ月給料の支払に充当したため、国道整備はおざなりになったのが実情だという。
他の州も交付金を受けながら同様の有様で、国道整備はされず、その苦情が政府に集中していると語った。しかし、連邦政府と州政府のいざこざは国民に関係なく、両者間で話し合いをして解決するとの方向性を示した。
これに対し各州知事は反発、ミナス州のネーヴェス知事は記者団に対し、確かに〇二年に暫定令八二号で交付金が支給されたが、〇三年にルーラ大統領自らがこの暫定令を否認する署名を行い無効となり、国庫から交付金の返還を求められたとして、「大統領はまたまた政府内の動きの無知さをさらけ出した」と呆れ顔で語った。
リオデジャネイロ州のガロチーニョ知事も同様、交付金の使用許可を求め、道路整備公団を相手取って提訴することを明らかにしている。パラナ州とリオ・グランデ・ド・スル州もこの動きに追随する構えを見せている。