2005年12月27日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四、二十五日】サンパウロ市の買物のメッカとして全国に名を馳せている三月二十五日街(ヴィンテ・エ・シィンコ・デ・マルソ街)で二十三日午後四時、爆弾と思われる物が爆発、十六人が重軽傷を負う惨事が発生した。
爆発物は同街とカルロス・デ・ソウザ・ナザレ―街の交差点でゴミ袋に入れられていた。爆発は交差点の信号と近くのビルの二階の窓ガラスを吹き飛ばすほどの威力で、路上では通行人が血まみれで倒れ、逃げ惑う人々で大混乱となった。負傷者は最寄りの病院に運ばれたが、爆風で電信柱に叩きつけられて頭部を骨折した二十一歳の女性と、二歳の男の子が重体となっている。
同街はクリスマス前日で通常よりも多い百五十万人の人出でにぎわっており、買い物客らは口々に「無差別テロ」だと犯人に対し憎悪をあらわにしていた。警察当局は爆発物の特定を急いでいるが、現場検証の結果、素人による手製爆弾とみている。爆発物はビデオカセットテープを使用した上に多数の釘が混入されていて、負傷者はこれが命中したためとの見方を強めている。
当局では犯人とその動機の特定も急いでいるが、爆発が三月二十五日ショッピングのビルの脇で、かつ市民警備隊の詰所から十メートルだったことから、現在連警が行っている中国人の密輸捜査との関連性を調べている。この密輸捜査で中国人でブラジル帰化人のロウ被告親子三人が逮捕されている。同ショッピングはロウ被告が所有者で、これまでに大量の密輸品が押収されている。
捜査を担当しているセー区第一警察署長は、動機は何であれ、市民を巻き添えにする卑劣な悪意に満ちた犯罪は許せないとして、犯人検挙に全力を尽すとの決意を表明した。
事件から一夜明けた二十四日の同街は、前日で買物のピークが過ぎたことで例年人出が少なくなるが、それでも百万人の買物客が見込まれていたものの、事件の影響でその半数の五十万人となった。さらに第二、第三の爆破があるとの噂が広まったため、買物客は目当ての物を買っては足早に帰っていった。商店の従業員やカメロー(露天商)らも大きな物音がするたびに外に飛び出したり避難するなど、戦々恐々の一日を過した。