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県人会の役割に期待=日伯21世紀=協議会会合=横田パウロ氏が報告

2005年12月27日(火)

 ブラジル日本都道府県人会連合会は二十二日午後一時から宮城県人会館で、日伯二十一世紀協議会ブラジル側メンバーの横田パウロ・サンタクルス病院理事長を招いて、先月リオで開かれた同協議会会合の報告会を開いた。
 冒頭横田氏は、先の会合で日本側座長の河村建夫衆議が行なったスピーチを紹介。河村議員は、日伯両国の人と人との交流が将来の両国関係の基礎であり、日伯交流年の記念事業も両国民の絆を深めるものが望ましいとする日本側の考えを説明。具体的な事業として日本の古美術展や、先端技術の紹介、日本映画祭などを挙げている。
 議員は日本におけるブラジル紹介事業にも期待を表わし、両国で早急に実施体制を整える必要があると指摘した。また、皇室のブラジル訪問実現にも尽力する姿勢を見せている。
 横田氏は「ざっくばらんに意見交換ができ、予想以上に良かった。お互いに厳しい意見も出し合った」と会合を振り返った。
 交流年に向けたブラジル側の考えとして横田氏は、航空機製造や鉄鋼など国内企業の先端技術や、バイオテクノロジー、製薬分野での共同研究の可能性に言及。「最近のブラジルの、一番いいものを紹介したい」と述べた。
 在日ブラジル人子弟の教育問題についても改善の必要性を指摘し、一例としてブラジルのテレビ局を通じた日本でのテレビ授業などを挙げた。
 日伯総合センターをはじめとするいわゆる「箱物」については、予算の面からも協議会で日本側から難色が示されている。横田氏も「建物を作るよりも、中身をどうするか、どう続けるかが大事」と述べ「一部の支援は可能かもしれないが、百パーセントは無理」とコロニア側の自助努力を促した。
 横田氏は、九月の総選挙による日本の政治家の世代交代などを挙げて日本社会の変化を指摘。「昔は東京と話をすればよかったが、いまは地方の力が増えてきている」と述べ、県人会の果たす役割に期待を表わすとともに、両国の国会議員連盟や日本の海外日系人協会、全国知事会など関係団体の重要性を強調した。
 報告会の開催にあたって県連では都道府県人会に案内を出したが、この日出席したのは広島、鳥取の二県のみ。ナタル直前のあわただしい時期とはいえ、さびしい報告会となった。