近ごろは余り使われないようだが「日替わり暦」がとても便利で貴重なものだった。毎日、朝早くに一枚また一枚と剥がしてゆく。葉書ほどの大きさで365枚を重ねると相当に厚い。元旦にはこんなにぶ厚いのがと思っている間に一日、一日と薄くなり、12月も暮れになると寂寥感を覚えるほどに薄くなり寒寒とする。満月や半月もあり友引と大安なども克明に書いてあるのがいい▼今年も残すところは後少し。この国はメンサロン騒動で有力政治家が追放されたりで政治は二の次になった印象が強い。一方―。日本は小泉首相が率いる自民党の圧倒的な大勝利がある。先輩の森元首相が官邸に押しかけ干からびたチーズ(これは古いからで本当は何とかいう名品らしい)で酒を飲みながら「選挙はやめろ」と直談判したのだけれども、小泉首相は「俺は死んでもいい」と総選挙へ▼これが大当たり。480議席のうち300近くも当選させたのだから大成功である。政治的な夢である郵政民営化も通り宰相・小泉は順風満帆。族議員の力は減少。派閥も完全に無力化し「鉄の結束」も消えてしまった。イラクのフセイン追放はうまくいったけれども、治安の悪化は予想を上回る。それでも正式な政権を目指しての選挙が実施されたし、新しい年には自由と民主主義が樹立され安定への道を歩むと期待したい▼哀しい事件ではロンドンの爆発テロがある。これもアルカーイダやイラク絡みだし、サミット開催中の出来事であったのが情けない。そんな哀しい事も―喜ぶべき事もいっぱいあった。そして今年も、静かに暮れて行く。(遯)
05/12/27