2005年12月28日(水)
アジア市場向け濃縮オレンジ・ジュースの輸出が、米国を中心とするNAFTA市場を上回った。十一月現在でオレンジ・ジュースの輸出量は累計で六一万七〇〇〇トン、昨年同期比で一二・七%増。十一月だけなら、昨年同月比で一五五・七二%増。急増したのは中国を始めオセアニア、中東、東欧である。アジア市場は昨年同期比で九〇%増、四万トンから八万トンへ飛躍した。また米国フロリダ州のハリケーン特需とジュース在庫が枯渇したことも、発注急増の原因になった。新しく登場した東欧の注文増も注目される。二〇〇四年は注文が落ち込み業界は気落ちしていたが、〇六年から向こう三年間は生産が注文に追いつかず、嬉しい悲鳴をあげると予測している。
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農村地帯で従来の農薬に代わる廉価なコピー農薬の輸入が話題となっている。農業生産者団体は、メルコスルを通じてコピー農薬を購入するルート開設を政府に要請した。亜国では、すでにコピー農薬が大量に出回っている。ブラジルの生産者は現在、除草剤や殺虫剤、殺菌剤などに年間一〇億ドルを消費する。除草剤だけで見ると亜国はリットル当たり九三・九ドルに対し、ブラジルは一三二・八ドルを払っている。特に大豆栽培にはサビ病の浸入で多大な減収が予想されるため、政府の敏速な対応が求められている。
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養殖魚の大量生産計画による企業化プロジェクトが進んでいる。養殖を八千キロメートルにわたる海岸線を利用し、大規模な生簀網で計画量産するという。連邦政府は環境省が発行していた海水使用許可証を州政府に発行を認可し、積極的な投資計画を奨励している。何をしてものろい環境省から政府は許可権を取り上げたようだ。サンパウロ州政府には、すでに百二十件の許可申請がある。現在提出されたプロジェクトは、ほとんどが発電所の貯水池利用である。そのうち五〇%には認可の内示があった。既存の貯水池が一%活用されるだけで、年間八〇〇〇万トンの淡水魚が水揚げされるという。計画中なのは鯛に似たチラピア・ローザで、これまでの輸出向け魚肉製品のコストダウンのための増量剤として利用される。