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(1)初の文協会長選騒ぎ

2005年12月28日(水)

 日系社会の代表機関ブラジル日本文化協会の会長を選ぶ会員選挙が三月十六日、創立五十年の歴史で初めて行なわれ、三候補が出馬した。
 最大の争点は、〇八年日本移民百周年の目玉記念事業として取り沙汰された日伯総合センター建設案について。
 日系社会の「総意」を得られないまま推進していた現職上原幸啓氏(元サンパウロ大学教授)と、これに反対する下本八郎(元サンパウロ州議、会計事務所経営)、谷広海(ブラジル日本語センター理事長、ホテル経営)の両氏が舌戦を展開。一世対二世の対立も鮮明になった。
 選挙事務所を開設し、戦後移住者の団結力を見せつけた谷氏が優勢との見方が当初はあったが、途中で上原氏が建設案の一時凍結を宣言したことを受けて事態は流動的に。
 十六日の選挙では谷氏が最多得票を得たものの過半数に及ばず、次席の上原氏と二次選挙で争うことが決まった。
 が、「(センター建設案の一時凍結で)出馬の目的は達成された」として谷氏がこれを辞退。上原氏の再選で約一カ月の選挙戦に幕が下りた。
 この会長選挙に伴って、邦字紙二社共催の公開討論会や、選管の泥縄式対応、急増した駆け込み会員の獲得合戦などが紙面をにぎわせた。