2005年12月28日(水)
昨年九月の小泉首相訪伯以来、日伯間の経済交流に動きがでてきた。五月のルーラ大統領訪日時の首脳会談では、二国間関係を新しい段階に進めるようなテーマ、なかでも国連改革での協力、エネルギー分野での新協力関係の構築などを中心に話し合われた。
デカセギ子弟の教育問題についても共同プログラムが発表され、教育関係者の人材交流を活発にするなどの方向性が打ち出された。
ブラジル側の最大関心事はエタノール輸出で多くの交渉がもたれた。今月十九日には実際、ペトロブラスと日本アルコール販売が合弁会社設立の契約を交わした。
しかし、本当の大きな収穫の一つは、経済連携協定(EPA)を〇八年の移民百年祭までに発効させるよう、両国政府に働きかけていくとの共同コミュニケが第十一回日伯経済合同委員会で発表されたことだ。
首相来伯からはじまった日伯二十一世紀協議会も十一月に第一回会合がリオで行われ、〇八年の日伯交流年に伴う両国の交流事業、日伯経済の再活性化、日本におけるデカセギ問題など、幅広いテーマが取り上げられた。経済面での再活性化への動きは、確実に胎動を強めている。