2005年12月28日(水)
九月にサンパウロ市で起きたコチア青年の米倉貞さん一家殺害事件はコロニアだけでなく、在日ブラジル人にも大きな衝撃を与えた。
コチア青年五十周年を間近に控えて起こった凶行。二人組の強盗に家族七人のうち五人が惨殺された悲劇は、ブラジル、日本の両国で大きく報じられた。
犯人の一人は二日後に逮捕。残りは五十日後、警察と銃撃戦の末射殺された。
犯人はかつての隣人だった。たとえ隣人でも家族が日本にいることを知られてはいけない、その現状が事件の根の深さを物語る。在日ブラジル人の日本定住が進む折、この事件が与える影響は大きい。
この事件を通じ「デカセギは金を持っている」イメージが広まることが懸念される。事実その後、モジ市や近郊で模倣犯と見られる強盗事件も発生した。
空港からの帰路、帰宅時を狙うものや郊外に暮らす日系夫婦が被害に遭うケースなど、今年も多くの事件が報じられた。強盗だけでなく、留守家族を狙った振込め詐欺も起きている。
デカセギ、日系人を狙う数々の事件。状況改善の兆しが見えない現状では個々の対策が最善の方策、ということになりそうだ。