2005年12月28日(水)
セラード開発に先鞭をつけ、花卉や果樹栽培に大きな功績のあった「コチア青年」。累計で二千五百八人を数える彼らの移住が始まり今年で五十年。その節目を祝う式典が九月に開かれ、日本から外務大臣政務官、全国農業協同組合中央会会長らが列席した。
戦前移民の農業後継者で「新来移民」「ジャポン・ノーヴォ」と呼ばれたかつての青年たちもいまや平均年齢七十歳弱。
それでも式典会場となった国士舘スポーツセンター(サンパウロ市近郊サンロッケ市)には、予想を上回る約七百人が集まった。
コチア青年連絡協議会が式典に先立って、各地の仲間を訪ね、活躍の現場を視察する「親善交流の旅」を地方別に三回に分けて実施した成果も手伝って、全国から出席者があった。
記念事業として、同センター内に「コチア青年の森」造成計画が浮上。農業に従事し、木を切り倒してきた反省から生まれたアイディアで、ブラジルに来たコチア青年と同数の原生林二千五百八本を植樹した。
またあわせて記念碑も建立し、「自然と人類の共存」と刻んだ。揮毫は島村宜伸元農林水産大臣による。