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選挙にらみ各党の動き慌しく=連立与党、下旬に党首会談=再選出馬表明遅らせる大統領

2006年1月4日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】大統領選挙の年が明けたことで各政党では慌しい動きとなってきた。こうした中、ルーラ大統領は出馬の意思表明を依然として保留しているものの、今月下旬に連立与党党首やリーダーを招集することを決定したことで、選挙キャンペーンに向けての下準備の打合せとみられている。
 大統領はこの会議の内容を明らかにしていないが、段取りを指示されたワグネル憲政相は、各政党の意中を確認するための会合と理解しているとの見解を示した。さらに同相は、今年の選挙は四年前と打って変わり苦戦を強いられると予測され、そのために大統領は一日も早く出馬を表明して体制固めに入るべきだと強調している。
 大統領は国会スキャンダルにともない世論調査での支持率の下落を真しに受けとめており、その挽回策としての政策を実施しないとの意向を示しているが、労働者党(PT)の候補としては、現大統領以外にあり得ないことを自他ともに認めていることは事実だとも明言した。その上で大統領は経済成長を見届ける六月の時点で出馬を表明する意向だが、それでは遅過ぎるとの見解を述べた。
 いっぽうで政界アナリストらは現大統領の続投は厳しい状況下にあるとみている。スキャンダルが原因でのPT人気の凋落に加え、続投の支持を表明しているのは現在のところブラジル共産党(PCdoB)とブラジル社会党(PSB)の二党だが、弱小政党が故に心もとないと指摘している。最大党のブラジル民主運動党(PMDB)の抱き込みが鍵となるが、同党内部では政府はシンパと対立派があり、党内の意見調整に時間がかかり、選挙キャンペーンに間に合わないとみている。
 さらに一日に放映されたTVグローボ局の人気番組「ファンタスチコ」でのインタビューで、大統領が「出馬は不明」と語ったのに対し、あながち政治家特有のジェスチャーとは思えず、「心底、動揺を隠せないでいる」との見方をしている。
 いっぽう、同番組で国会スキャンダルについて大統領を告発したり非難したりする声が挙ったことに対し、「根も葉もない事を言った人たちは謝罪すべきだ」と大統領が発言したことに野党側は一斉に反発、論争の的になっている。ブラジル社会民主党(PSDB)のタッソ党首は声明文の中で、他人(PTや側近)に責任を押しつける卑劣な手段だとした上で、「国民に謝罪すべきは当の大統領だ」と決めつけた。