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今年も外交路線は継続=途上国との連携強化=地球5周の割には乏しい成果?

2006年1月6日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】ルーラ大統領はブラジリアで四日、今年も継続して外交路線を強化していく方針を明らかにし、今月はボリビア、ベネズエラを訪問した後、スイスのダボスで開催される世界社会福祉フォーラムに出席することを発表した。さらに二月にはアフリカ諸国訪問を予定していることを明らかにした。
 世界七十カ国に駐在する大使を召集して行われた年頭訓辞の中で述べたもので、就任当初からの外交基本方針である開発途上国、いわゆる第三世界との連携をさらに強化する重要性を説いた。予定では今月二十二日にボリビアの新大統領就任式、二十五日にはベネズエラでチャベス大統領と会談、二十七日と二十八日にはダボス訪問となっている。
 大統領はこれにともない、基本路線である世界経済の構造地図を塗りかえるためには開発途上国の連携による地位向上が不可欠だとして、ブラジルがイニシアティブを取る必要があるとの認識を強調した。それにはメルコスル加盟国に始まり、中南米諸国、アフリカ諸国、中近東諸国の一致団結が不可欠だと述べた。
 このため今回は失敗に終わったが、国連安保理の常任理事に立候補したものだとの立場を強調した。かといって米国やEUとの摩擦の心配はなく、これらの先進国とは規定路線に沿って「オートマティック操縦」に切り換えているとの見解を示した。
 これに対し同席したアモリン外相は、一部では大統領の多過ぎる外国訪問の割には成果がないとの批判もあるが、昨年の輸出の好調と至上最高の経常黒字の実績は外交成果のたまものだとして、暗にエスタード紙の論評に反発した。
 一日付け同紙は、大統領の昨年の外遊は二五カ国で延べ五十日間に及び、飛行距離は二〇万六八八三キロと、地球の赤道五・一六周分に相当したが、その割には目ぼしい成果が挙がらなかったと酷評した。わずかに有利に展開したのはWTOのドーハラウンドのみで、国連安保理の常任国入りでは諸国にソッポを向かれる有様でルーラ外交の欠陥を露呈した。さらにメルコスルでもアルゼンチンが台頭し、リーダーを奪われたと論評している。また、二月に予定しているアフリカ諸国訪問は今回で五回目で、その必要性に疑問を投げかけている。