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ボリビアのメルコスル加盟提案=アモリン外相=できるだけ早く=新大統領への圧力緩和に仲介=米政府の危険な偏見を矯正

2006年1月7日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】アモリン外相は五日、できるだけ早い時期にメルコスルへ加盟するようボリビアのモラレス大統領に提案した。コカイン生産者代表の異名がある同国大統領は選挙により絶対的支持を得て当選したが、諸国の風当たりが強いため、メルコスル加盟によって海外の批判をかわすための進言とみられている。同様の手口はベネズエラのチャベス大統領によって昨年十二月に実証済みである。モラレス大統領は十三日に挨拶のためブラジルを訪問し、二十二日には大統領に就任する予定となっている。
 ボリビアのモラレス新大統領への国際的圧力や反応を緩和する仲介の労を、ブラジル政府が検討している。格好の解決策はメルコスルに至急加盟すること。メルコスルは、問題を引き起こした首脳の駆け込み寺となっている。
 ボリビア政府にとってもメルコスルは隠れみのであり、衝撃を和らげるクッションであるとみている。同大統領はボリビア国民の絶対的支持を取り付け、第一次選挙で一挙に当選を決めた。しかし、コカイン生産者代表の異名は、特に米政府から疑心暗鬼の目で見られている。
 同大統領は十三日、大統領就任挨拶のため慣例訪伯をする。ルーラ大統領は二十二日、就任式に臨席。この手口は、米政府の心証を害したチャベス大統領が十二月にお手本を示したものである。
 ボリビアとベネズエラの違いは、前者は単なる政治的配慮であり、後者は経済的要因も絡んでいる。ベネズエラは五大産油国の一つで、メルコスルの中でも取引量を一挙に飛躍させる重要加盟国として一目置かれている。
 アモリン外相は一月にボリビア問題を討議するため、ホワイトハウス特使、国務省のトマス・シャノン米州局長官を迎える。同長官は二〇〇五年まで米安全保障会議メンバーであった。すでにメルコスルが問題児のベネズエラを仲間に入れ、ボリビアは二人目の珍客であるからだ。
 政府の意向は、確執する二国間の仲介である。コカイン生産者の支持で大統領当選を果たしたとする誤解を解き、国民の圧倒的支持を得て当選した市民の代表であることを説明する。特にブッシュ政権に対し、麻薬即左翼という危険な偏見を矯正する狙いがある。
 米政府が、ボリビアやベネズエラの現実をしっかり見るよう求め、米覇権主義をけん制するのが外相の考えだ。米国の存在は重要であるが、飢餓線上にある一般庶民の立場も考えて欲しい。ブラジルは米政府の目の仇にされている国々の間に入り、緊張緩和のための直接介入を望んでいる。
 ルーラ政権は左翼民主主義を旗印に、摩擦を起こさず節を曲げず、国際外交へ積極的に参加する考え。外相は二年間、モラレス氏にルーラ路線を見本として民主政治と改革路線を実施するよう指導した。同氏がかくも早く政権に就任するとは、意外であったという。
 さらにキルチネル大統領のアルゼンチン、ヴァスケス大統領のウルグアイと、南米は予想以上に強く左翼色に染まっている。米政府はライス国務長官の保守体制で政治も経済も融通性を欠いており、米国へ不法入国を試みたブラジル人に対する米捜査官の拷問手法による訊問への行政介入も外相が要求している。

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