2006年1月10日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】ハイチの政情不安にともない国連が同国に派遣している平和部隊の主翼を担うブラジル陸軍の同駐屯部隊司令官のバセラル将軍(五七)が七日、滞在先のホテルの自室から死体で発見された。この事件を調査している国連関係者によると、死因が口腔内に撃ち込まれたピストル弾によることから、自殺の可能性が強いとの見方をしている。しかし、同地駐屯のブラジル陸軍報道局は、暴発による事故死として食い違いを見せており死因は謎に包まれている。
伯軍当局の発表によると、同司令官は駐屯先の首都ポルト・プリンシペにあるホテルの自室で倒れているところを発見された。死体は国連捜査官により市内の病院に運ばれ、検視されている。
ブラジル陸軍は国連平和部隊の派遣にともない二〇〇四年六月から一二〇〇人を動員、現在は二〇〇〇人に増強して、首都の治安に当たっている。同司令官は昨年八月三十一日から伯軍のみならず全平和部隊の司令官となっていた。
アモリン外相はブラジリアで七日、アレンカル副大統領兼国防相をはじめとする軍幹部と緊急会議を開き、死因を解明するべく法務関係者や法医学の医師を現地に派遣することを決定した。その上で、同司令官が年末年始をリオの自宅で家族と過して勤務地に戻った矢先の出来事であり、自殺に価する理由がないとの声明文を発表した。
ルーラ大統領は滞在先のバイア州サルバドル市で、司令官の死に対し遺憾の意を表明するとともに、ブラジル駐屯部隊が任務を全うすることを願うとの所感を発表した。