2006年1月11日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】サンパウロ州軍警は西部プレジデンテ・プルデンテ市のプレジデンテ・ベルナルデス刑務所で九日、収監されている仲間を奪回するために刑務所を襲撃しようとした一味の動きを事前に察知、女二人を含む計三人を逮捕した。三人が乗っていた車二台のほか、乗り捨てられた三台を押収するとともに総勢十四人と見られる残りのグループの行方を追うため近辺に捜査網が張られた。
同刑務所は強固な警備で全国一を誇り、凶悪犯人が収容されている。このため襲撃に備え当局では、常日頃から警戒を強めている。計画を察知したきっかけとなったのは、同刑務所の近くのサンタ・クルス・ド・リオ・パルド市で七日夜、自動小銃などの銃器を所持していた車が検問で見つかったため、刑務所襲撃計画があると見て警戒をしていた。
その中で九日午前四時ごろ、一味が刑務所の塀に向けてロケット弾を発射しようとしているのを発見、軍警との間で撃ち合いとなった。その後一味は逃走したが追跡の末、三人が逮捕された。逮捕された男は殺人と麻薬取締法違反で逮捕歴があり、当局では奪回しようとした服役囚の特定を追及している。
男の車からは、ロケット弾二基が押収された。さらに女二人は逃亡の運転手役と見られ、車内から武器が見つかった。また一味が乗り捨てた車内からは、ロケット砲、自動小銃、機関銃、など複数の銃器のほか無数の弾薬が見つかった。ロケット砲は一・五メートルの長さで三〇センチの直径、自家製ながら破壊力はあるという。ほかの武器は軍隊が使用するものであった。
軍警では同市および近隣に非常網を張るとともに、農村地帯を中心に警察犬を動員して残りの犯人グループの行方を追っている。