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「ブラジルは全力投球していない」=IMF問題点を指摘=高度成長への指針を指導=内憂外患と内輪の事情

2006年1月12日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十一日既報関連】國際通貨基金(IMF)からの独立成人式に臨んだロドリゴ・ラトIMF専務理事は十日、ブラジル経済が消極的で全力投球をしていないと指摘した。ブラジルが國際資本を引き寄せるために、より大胆な長期計画と公共債務削減、中央銀行の独立権限、労働法の改正を導入するように提言。ブラジルは四%前後の経済成長率を保っているが、より野心的な高度成長は可能であると述べた。どの指摘も政府内で議論され審議中であるが同じころ、地理統計院(IBGE)は十一月の工業生産が、僅か〇・六%増に留まったと発表した。
 IMFから乳離れしたブラジル政府は、IMF専務理事から政策が消極的だとお説教をされた。これまでIMFは胴元であったが、これからは顧問となって國際資本にとって魅力あるブラジルとなるための指針を指導してくれた。
 同理事のブラジル評価では、数々の経済構造改革が急務である。ブラジルは実力がありながら、経済構造の遅れがネックになり全力投球ができないでいる。同理事の訓告では再々、耳にタコができるほど問題点の指摘が繰り返された。
 ブラジル経済は活気を取り戻し、四%前後は確実視されている。しかしブラジルには貧乏人がまだ多勢おり、同理事は大胆な積極性を求めた。式典にはルーラ大統領とパロッシ財務相、ロウセフ官房長官、ドゥルシ総務会長、メイレーレス中銀総裁の他、政府の経済スタッフ、主な金融関係者が出席した。
 「大型債務で債務危機を起こし、首が回らなかった失われた十年の愚を繰り返してはならない」と同理事が警告した。「ブラジルはさらに経済力を蓄え、リーダーとして南米諸国を引っ張って行かなければならない」と発破をかけた。
 同理事は大統領よりも長時間の二十分にわたりスピーチを行った。続いて財務相が式典の辞を述べた後、官房長官が唯一人、お祝いの雰囲気にそぐわない現経済政策批判を行った。同理事は「折角経費削減の努力による果実を収穫しながら、気をゆるめてはならない」と忠告した。
 中央銀行の独立権限提案は、政府与党内で賛否両論が拮抗している。大統領と財務相は、同理事の指摘で顔を見合わせながら苦笑した。中銀総裁は、無表情で聞き流した。同理事は親伯の故あえて訪伯したらしい。中銀の独立は、ブラジルのクレジット市場強化と予算編成の融通性拡大のため必要だという。
 融通性を欠いた予算編成で、財務相は財政黒字対策を短期から長期へ政策変更することを承服した。堅牢無比な緊縮財政は、特に医療と教育で支障を来たし、連邦令に抵触すると物議をかもしていた。
 財務相は医療と教育の行政不具合のため、予算を交付しても効果が少ないとし、財政収支の目標達成で妨げになると判断をした。財務相はIMF提案と政府の政策の間に、間隔を置く考えだ。ブラジルは経済政策で、IMFのいうままにならないとした。ただ高度成長を遂げるために、数々の政策調整はヤブサカでないと財務相が答えた。