2006年1月13日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】次期大統領候補の党公認に名乗りを挙げたアウキミンサンパウロ州知事は十一日、大統領当選の暁には就任初日の一月一日、一連の改革に着手と公約宣言をした。これまで控え目であった同知事は、従来の政治スタイルをかなぐり捨て先手攻勢に出たことで、所属党のPSDB(社会民主党)でさえ驚異の目で見ている。同党が独断独走を戒めた紳士協定をよそに、あとは四月の党公認を待つのみと迫る勢いである。他方の旗頭と見られるセーラサンパウロ市長は、知事の積極性について両者は同じPSDBの人間であり、ただ国民の希望を適える経済政策を執り行うだけで二人の間には何ら差はないとした。
アウキミンサンパウロ州知事は、セーラサンパウロ市長と同一線に並び知名度を高めるため派手なパーフォーマンスを見せている。一方のサンパウロ市長は市長就任一年余り、市政改革に没頭し沈黙を余儀なくされているようだ。スタートの銃声を前に全国レベルの知名度流布に知事陣営は、大統領選挙の意気込みでいる。経済政策から税制改革、公式式典、公約宣言の立案と党執行部への根回しで余念がない。
サンパウロ州知事は、記者団の質問に次のように答えた。
【先手攻勢で党の反応は】辞任宣言の直後、カルドーゾ前大統領とネーヴェス・ミナス州知事に電話を入れたところ両人は快諾した。PSDBは常に指導的立場にあった党であり、それを継続する意思があることを告げた。現在は東洋医学と禅の研究に傾注し、次は神について瞑想したい。党公認で競う考えはない。それは時間が解決すること。
【旗揚げでの抱負は何か】〇七年一月一日に着手する一連の改革原案は、決行を待つばかり。政治は科学、科学は準備を要する。ブラジルは素人集団ではない。インフレ対策や均衡財政対策は習得済み、充実した内容で飛躍できるように訓練されている。あとは高度の政治レベルへ、ブラジルを引き上げるだけ。
クビチェック政権のスローガンは、「五十年を五年で完成」であったが正解だ。政治のレベル向上は急務である。政府機関の機能化は、二十四時間体制でチェックする必要がある。ブラジル病の治療は、診断ではなく管理である。
先ず取り組むべきは、産業の癌である複雑な税制の改革。それから労働者をアングラ市場へ追いやる不合理な労働法の改正。
【政府経費膨張の原因は】政府経費のバラまき責任は、議会ではなく政府にある。政府の管理部門が機能していないからだ。原因は言行の不一致にある。
【知事の得意技は】第一は夢がある。国民に仕事と必要な所得を供給すること。経済成長なくして社会問題の解決はない。先ず改革があって、ブラジルは足が地に着く。そのため新しい政治手法を導入する必要がある。演説や大声を出す必要は、まったくない。
【知事独特の話法とは】選挙運動では毎回、候補者の人格が重要視されるようになった。毎回TVで行われる討論会は、単なるプレイと演出に過ぎない。言っていることは大同小異。次回は倫理感が問われるが、まだ本物ではない。有権者は点数や話術、経験を重んじる傾向がある。国民は決まり文句にウンザリし、もっと誠実性を求めている。もし大衆迎合主義を採るなら、自分の政治人生はなかったと認識している。