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(FGV財団調査発表)製造業が人員整理を計画=奈落へ拍車の産業界=現経済政策のツケが回る=大統領選控え動き始まる

2006年1月14日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十三日】ジェットゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)は十二日、国内製造業の三二%が〇六年第1四半期に人員整理を計画しており、〇五年末の落ち込みに拍車がかかるとする調査結果を発表した。増員計画は、僅か一一%の企業に過ぎないことを明らかにした。サンパウロ州工業連盟(FIESP)は、これまでの高金利政策と為替率放置で輸出産業を窮地へ追いやった経済政策の結果が、表面化したものであると見解を述べた。FGVはブラジルの工業界が年初、奈落の底へ落下しつつあり事態は深刻であると警告した。
 FGVの調査では、九八年以来で最低の水準にあり、国内製造業は解雇旋風の兆候とともに泥沼に沈みつつあるという。もしも早急に保護策が採られれば、辛うじて最悪事態は避け横ばい程度で済むと見ている。大統領選を控え早々、動きが見え始めた。
 〇六年は工業労働者にとって、不運の年であるとFGVはいう。不振とされる分野は、中間財と資本財、消費財、建材。産業開発研究院(IEDI)は、消費財の中でも製靴が最も深刻だと指摘した。製靴の町フランカ市は〇五年、製靴職人四千五百人を解雇し死の街と化した。人員整理の最大原因は、為替政策の不在としている。
 FIESP調査課はFGV調査を、レアル通貨の高騰を招いた通貨政策の反映と見ている。FGVが予測する事態が、発生しないことを祈るとしている。予測通り〇六年第1四半期に解雇旋風が吹き荒れるなら、大統領選でルーラ政権敗北の一因になる。
 マリニョ労働相は〇五年、百二十万の雇用創出で努力した。それによりルーラ政権の面目は保たれたが、問題は〇六年上半期に懸念される人員整理だ。失業パニックによる失地を回復できるのは、〇六年下半期と見られる。
 さらにFGV調査では、二〇%の企業が、需要は内外とも頭打ちと答えた。需要見込み上々と答えたのは、九%のみ。これは、九九年以来の最低レベル。全体で需要を見ると、一六%が楽観的見通しで、二二%が悲観的である。
 長期的視野で見ると、事情は好転する。中央銀行が、金利の引き下げに同意したからだ。金利低下で工業界が、回復するのに六か月かかる。その六か月の間に回復可能と答えたのは五五%、不可能は一二%。
 サンパウロ州だけで見ると人員整理は、過去最高で悲劇だ。高金利と為替率を原因とするサンパウロ州の人員削減は、十二月だけで四万五千八百人に達し、二・一六%が失職した。二〇〇〇年一月以来の最悪事態といえる。
 十二月は毎年、失業の月とされる。ショックなのは失業の規模だとFIESPがいう。これは、現経済スタッフの採った経済政策のツケといえる。〇五年十一月の経済成長率は、恥ずべき数字であった。産業の取引高と雇用も、取るに足らぬものであった。
 常軌を逸した経済政策は、国民の期待を裏切る経済成長率をもたらしたとFIESPは政府を糾弾した。〇五年十二月の調査結果は、予想を下回り深刻な事態に至っていることが認識された。このような経済環境で誰も設備投資をしないし、オウムは空気不足で窒息するという。