アグリビジネス

2006年1月18日(水)

 牧畜業者の間で牧場に植林をする多角経営が、注目を惹いている。植林によって土壌の流失を防ぎ、適度の湿度と有機質を保ち生態系の保全にも役立つ。牛は炎天を避け、理想的環境作りになる。ミナス州など地形の起伏が激しい地方では、特に有効だ。直射日光を避けるため、柔らかい良質の牧草が繁茂する。
 植林と平行する理想的な牧草には、アンジッコやグリリシジア、レウセナ、クラチリア、ガンドゥ、エリトリナなどを推奨。牧草の効率を高めるため、複数種の牧草の混生を勧める。例えばグラミネアとエルバセアの組み合わせなどだ。
 乾燥に強い牧草や冬季に強い牧草などを組み合わせることで年中、青々と牧草が茂る環境で飼育された牧牛は見るからに成育がよい。年中豊かな牧草で飼育されることで、飼料の供給も二〇%節約でき、搾乳量も三〇%増えるらしい。
 牧場の植林は防風林や雹害防止、降霜逃避にもなり、窒素分の固定に役立つ。境界の杭にもなる。小鳥があつまることで害虫駆除にもなる。パラナ州ではユーカリプトを植林し、木材出荷につないでいる。
     ◎
 キャビアの輸出入が全面禁止となったことで、チョウザメの養殖計画が世界各国で進められ、その一つにウルグアイが候補に挙がっている。これまでカスピ海沿岸で漁獲されていたが今回、絶滅種に指定された。ブラジルは〇五年十月、最後の輸入が昨年比三五%値上げされて到着した。
     ◎
 スペインのアウマ&ペドラ社は、バイア州リベイラ・ド・ポンバル市に山羊専用の屠殺場を設置、営業許可を申請した。屠殺するのは三か月の子山羊で、肉は全てスペイン向けに輸出される。内臓は薬品や化粧品の原料になり、皮革は婦人用高級服飾品になる。同社は山羊の原種改良から山羊乳の生産加工、山羊に関する専門の研究室も併設する。同地方の気候と土壌は、山羊の飼育に適しているという。