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禁固165年の最高刑=米倉さん一家殺害=異例のスピード判決

2006年1月19日(木)

 昨年九月にサンパウロ市内で米倉貞(ただし)さん一家五人が殺害された事件で、サンパウロ市地裁は十七日、殺人などの容疑で逮捕、起訴されていたリカルド・フランシスコ・ドス・サントス被告(26)に禁固百六十五年の判決を言い渡した。
 同被告は強盗殺人や放火五件の罪で起訴されていた。罪を認めているが、判決を言い渡した第一四刑事法廷の裁判長は「本人の自供がなくても物的証拠が揃っていることで犯行は明白だ」とした上で、「通常の犯罪では一件当たり十五年から三十年の量刑となるが、この犯罪は残虐かつ横暴であり最高刑を適用した」という。
 また犯人が被告者一家と親交があった上での犯行だったことから、「心証を悪くした」とも述べている。このため異例のスピード判決となった。
 同被告は昨年九月十二日、サンパウロ市東部ビラ・ノーヴァ・クルサーの米倉さん宅に押し入り一家五人を殺害、五千ドルを奪って逃走した。
 米倉さんの長男夫婦と長女は当日、出稼ぎで日本から戻った矢先だった。長男とその息子は難を逃れたが市民の同情を買い、伯字紙でも「出稼ぎ殺人事件」として大きく報じられた。
 同被告は事件直後に逮捕されたが、共犯の男は昨年十月、市内南部のファべーラに隠れているところを警察が急襲したが、発砲して抵抗したため射殺された。