在外被爆者(手帳取得者)が十一月末から、在外公館で手当ての申請をできるようになった。厚生労働省の要請に基づき、長崎市と県が職員を一人ずつ、ブラジルとアメリカに派遣している。
窓口で応対する館員に実務指導を行うため。十七・十八両日、サンパウロ総領事館で二人が実際に立ち会いながら、個別に申請を受け付けた。被爆者との会合は予定されていなかった。
在ブラジル原爆被爆者協会の呼びかけで、日本側に現地の声を伝えたいと、会員ら十数人が総領事館を訪れた。これに対処するため、急遽、〃説明会〃が開かれ、総領事館と指導員は質問や要望を聞いた。
協会側は事前に巡回指導員の目的を認識。〃確信犯〃だった。瀬戸際に立たされていることの表れでもある。長年の間に深まった、政府と在外被爆者との溝を感じさせる一幕だった。 (古)
06/01/19