この二十八~二十九日に中国式正月を祝う行事が、サンパウロ市リベルダーデ広場で初挙行される。名称こそ〃東洋人街〃だが、実際は七夕祭り、餅つき、東洋祭りなど日本のお祭りばかりであった。ここで第一回目の本格的な中国式祭典とは、名実ともに東洋人街となる第一歩だろう▼もっとも、ガルボン街の商店主の多くがすでに中国系、台湾系、韓国系なわけだから実態に近い姿になる、という考え方もある。みながそれぞれの特色を出し、東洋人街を盛り上げていくのが本当の姿だと思いたい▼中国式の正月は「春節」といい、旧暦の一月一日に祝われ、最も重要な祝祭日だという。春節の前夜を「除夕」(大晦日の夕べ)といい、家族みんなが集まり、大晦日の晩に食べる特別な料理「年夜飯」を囲み、お年玉を配り、新年を迎える慣わしだという。春節には各地の広場で爆竹を鳴らし、龍の舞・獅子舞などが行われる▼中国人のブラジル初移住は一八一二年に、リオのお茶園に導入された四百人が先駆けと古い。ただし、その時は上手く行かず、その後、本格的に再開されたのは戦後一九五〇年代になってからだった。現在では子孫も含めて二十万人にもなり、九割がサンパウロ州に在住する▼今回主催するのは若手経営者が集まる中国ブラジル青年会議所であり、将来訪れるであろう中伯経済関係の隆盛をにらんでの交流行事となろう。日系団体にとっても、いい意味での刺激と受け止め、奮起するための材料としたいところだ。(深)
06/01/19