2006年1月20日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十九日】上院ビンゴCPI(議会調査委員会)は十八日、ルーラ大統領の盟友パウロ・オカモトSebrae(中小企業支援センター)総裁の銀行口座と資産明細、電話明細の開示を決定した。同総裁は一九八九年、大統領選でルーラ候補の会計担当を務めた。また大統領の個人的債務二万九千四百三十六レアルを、〇三年十二月から〇四年三月の間に決済したことでCPIはその背景を調べるという。大統領の債務を決済した同資金について同総裁の説明にCPIは納得できないとし、公的資金と党資金、ヴァレリオ・ルートとの関りを審理するとしている。
オカモト総裁が〇五年十一月、上院ビンゴCPIで行った決済資金に関する出所説明の証言は不十分だという。CPI与党代表にとって同開示は、サントアンドレの前市長殺害事件とリベイロン・プレットの財務相元側近による疑惑とともに大きな失点と見られる。いずれも審理の主導権が、CPI野党代表の手に奪われたからだ。
同CPIは十七日、一九九三年以来PTの裏帳簿について同総裁の関与があり、大統領が関知していたと疑い始めた。この疑問は元PT党員ヴェンセスラウ氏の証人喚問で、バーロス上議(PSDB)の誘導訊問から同総裁の関与をもらしたのが発端である。
PT市長の管理下にある出入り業者や商品納入業者リストを同総裁が把握していたと、同証人は供述した。これら業者はPTの政治資金を上納し、裏帳簿に計上されていたという。
同証人は、もう一人の盟友で大統領と代父関係にある弁護士テイシェイラ氏の名前も出した。同弁護士は一九九四年、ルーラ大統領候補に財政支援をするためサンジョゼ・ドス・カンポス市を動かしCpem社に便宜を図った。同弁護士の証人喚問も、同CPIは認めた。同氏は心臓の手術で現在、シリオ・リバネース病院に入院中。
ヴェンセスラウ氏は、同総裁に関する九七年のPT調査報告書コピーをCPIへ提出した。報告書がはっきり明記しているのにかかわらず、議会対策委員のシナリア下議(PT)は九八年、裏帳簿の噂で党管理を引継がせるため同総裁を窓際へ追いやった。
ビンゴCPIは、党員三十五人の供述に関する九七年PT調査報告の再吟味を行う。特にCPIが注目したのは、シナリア下議と同総裁に関する部分である。同下議は裏帳簿が存在する噂を聞いたと、同報告書で供述。同総裁は、政治活動資金の専門家であることを同報告書で示唆した。
サンジョゼ・ドス・カンポスで九三年、市長を務めたグアダニン下議(PT)も同総裁から納入業者リストの打診をされたと証言し、同総裁とリストの関係を認めた。同市は、内容について無関係という。
同総裁の開示表決は賛成十一票、反対二票で可決。反対票を投じたヴィアナ上議(PT)は、十二年前から噂があったことを何故大統領選前夜のいま、引っ張り出すのか。CPIはいまや、本来の事実解明を忘れ選挙戦の道具に使われていると抗議した。