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基本金利が年率17・25%へ=産業界に失望の色=大統領「最小限の引き下げ」

2006年1月20日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】中銀は十八日、通貨政策審議会(COPOM)の決定を受けて、SELIC(基本金利)を〇・七五%引き下げて年利を前月までの一八%から一七・二五%とすることを発表した。SELICの引き下げは昨年九月の〇・二五%を皮切りに十月から連続三ヶ月を〇・五%で推移した。
 今回の〇・七五%の引き下げは、二〇〇三年十二月に一%引き下げで年利一七・五%から一六・五%になって以来の大幅なものとなった。
 しかし、COPOMの開催が従来の月例から今年は四十五日間隔になることにより、今回の引き下げ率はこれまでと違う意味合いが含まれている。このため産業界や労組筋では、この十五日間のズレを加味すると少なくとも一%の切り下げが不可欠だとして、今回の決定に失望の色を見せるとともに不満を表明している。次回のCOPOM会議は三月七日に開催されるためそれまでは現行金利が維持される。
 ルーラ大統領はこれに対し、「今回の引き下げは譲歩し得る最小限の引き下げ」だとした上で、これ以下では経済危機を招き、関係者のクビ切りに発展していただろうとの見解を述べた。しかし側近筋によると、本音は一%切り下げを期待していたとのこと。
 だがそうなると、インフレが上昇した場合に切り下げのリズムが狂い修正が困難になることから、一気に最低線に下げるのを避けたとの擁護的解釈をしているという。
 また一気の切り下げは、大統領選への人気取り政策ともとられかねないとの慎重論も披露したとのこと。
 一方で産業界や労組筋では中銀はあいかわらず自己防衛の殻に閉じこもり、前進が見られないと不満を表明している。中銀はインフレ抑制に没頭し、経済成長を置き去りにしているとし、昨年第4四半期の工業生産落ち込みで実証されたように経済不況となっており、金利大幅引き下げのみが起爆剤となることを再認識すべきだとの声が挙っている。
 今回の引き下げで、実質金利(向う一年間の予想インフレ率を差引いたもの)は、これまでの一二・六%から一二・一%に下がったものの、依然として世界ランキングのダントツとなっており、二位のシンガポールのほぼ倍率となっている。
 金融アナリストによるとSELICが年利一一%になって初めて世界各国と同等になるという。ランキングは順に、シンガポール(六・四%)、トルコ(五・七%)、メキシコ(四・八%)、韓国(四・二%)、中国(四・一%)、ポーランド(四・〇%)、インド(三・四%)、英国(三・二%)南ア(三・〇%)となっている。