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猛暑一転、定番の豪雨禍へ=手をこまねく市民=長年の課題に対策なし=サンパウロ市

2006年1月21日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】炎天下のもと異常乾燥が続き、実質一週間以上も降雨に見舞われなかったサンパウロ市で十九日午後、俄かに豪雨となり定番の水害となった。
 発達した高気圧が南部から侵入する低気圧を押し止めていたため、サンパウロ市では十六日に今年最高となった三三・九度を記録するなど猛暑が続いた。
 このため異常乾燥による火災注意報や熱射病注意報などが出され、市民は恵みの雨を心待ちにしていた。
 十九日午後、一天かき曇り待望の雨が降り出した。しかし降りだし直後から雨足が勢いを増し数分後に豪雨となり、瞬く間にサンパウロ市全域で出水騒ぎとなった。これにより水害地区は十九ヶ所となり八ヶ所が通行止めとなったことで全市内に警戒注意報が発令された。
 注意報は午後三時五十分に東部と南部に向けて発令され、一時間後に西部とマルジナル大通りに発令された。南部のソコーロ広場では全体が水につかり通行不能となったため周囲は十六キロの渋滞をきたし今年最高を記録した。同広場の近辺の商店は浸水から逃れるためにシャッターを降ろして閉店休業となった。マルジナル・ピニェイロス通りでは二台の排水ポンプが作用せず通行止めとなった。ピニェイロス区のメトロ工事が進められているバタタ広場も水につかり周辺は通行不能となり混雑をきたした。
 ビラ・マダレナ区アルモニア通りでは、出水で自家用車が流され街路樹に衝突する事故が発生した。サンパウロ市近郊のABC地区では床上浸水で多数が被害をこうむった。
 気象庁によると、サンパウロ市では異常乾燥は収まる傾向にあるものの、二十三日頃までこの暑さが続くと見ている。
 パラナ州とサンタ・カタリナ州に寒気をともなった低気圧があるが、サンパウロ市上空の高気圧が侵入を阻んでおり、このため来週半ばまで、昼は炎天で午後に集中豪雨の夏型気候が続くと予想している。来週木曜以降はこの低気圧が近づき、雨が多く気温も下がるとのこと。
 これにより夏型の本格的雨季に入るが、サンパウロ市の定番となっている豪雨禍の対策が一向になされていないことに批判が集中している。
 いざ雨となると市民は手をこまねいているだけで長年のことながら、いらだたしさを募らせるのみだ。