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長距離バスが正面衝突=32人死亡、21人負傷=運転ミスか、対向車に突っ込む=サンパウロ州

2006年1月25日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】サンパウロ州レジェンテ・フェイジョ市の国道ラポゾ・タバレス街道五三八キロ地点で二十二日午後十一時ごろ、長距離バス同士が正面衝突する事故が発生した。この事故で乗客、運転手三十二人が死亡、二十一人が負傷した。乗客が一人残らず死亡ないしは負傷し、事故の犠牲者はサンパウロ州内で史上最悪の出来事となった。
 警察は原因を調査中だが、事故発生当時は好天で見晴らしも良かったことで、事故現場にブレーキの跡がないことから、運転ミスかあるいは運転手が体調に何らかの不良事態が発生してハンドル操作を誤った可能性があると見て調べている、無理な追い越し運転の有無につていも捜査している。
 事故現場はサンパウロ州最西部のプレジデンテ・プルデンテ市に近いレジェンテ・フェイジョ市を横断する国道で、事故を起こしたバスはいずれもアンドリニャ会社所有だった。一台はコロラド(パラナ州)十九時四十五分発サンパウロ市行きの便で十四人の乗客だった。もう一台はバウルー市十九時発プレジデンテ・プルデンテ行きで満員の三八人の乗客だった。サンパウロ行きの便は二二時二〇分にプレジデンテ・プルデンテ市の給油所に立ち寄り、ここで運転手が交替してサンパウロに向った。出発後二三時一〇分ごろ、対向二車線の国道で、サンパウロ行の便がセンターラインを超えて対向車線に突っ込み、たまたま対向を走ってきたプレジデンテ・プルデンテ行の便と正面衝突した。
 両バスは原型をとどめぬ程大破し事故の衝撃のひどさを物語っていた。前部は押しつぶされると同時に座席が後部に押寄せられバスの屋根まで破壊した犠牲者は前部座席にいたものと見られている。警察では犠牲者のうち四人を除くすべての身許を確認した。死亡者リストには名前から日系と思われるイワオ・チバ、ナタリア・タミ・ホシノの両人が含まれている。
 事故を起こしたバス会社は同日声明を発表し、犠牲者や負傷者に対し出来るだけの対応をしていくとの態度を表明した。サンパウロ州でのこれまでの事故は二〇〇二年十月に、同じラポゾ・タバレス街道でバスとトラックが衝突して十九人が死亡したのが最大だった。