2006年1月25日(水)
【ヴェージャ誌一九三八号】サンパウロ州カンピナ・デ・モンテアレグレ市は、人口六千人の小さな地方都市である。同市はサービス税で恩典を与え、企業誘致をした。サービス税は普通二%から五%であるところを、企業の本店を同市へ移転すれば〇・五%という。
同市へ二千四百社が本社移転を希望し、同市へ移転先住所の紹介を求めた。市は市営体育館や湖のある場所を提供したが、それでも間に合わずお墓も提供した。同市の税制恩典は常軌を逸したばかりでなく、税法にも抵触する。
連邦令によれば、サービス税は最低二%までと定めている。しかし、地方小都市では連邦令を無視し勝手に税制恩典条例を制定し、町起こしを図っている。同市へ本店移転を勧め、企業の移転手続きを営む会計事務所がサンパウロ市に多い。
同市のゼ・ジット市長(PSDB)は市議らと相談の上税制恩典を撤回し、二%へ引き上げ刑務所行きは免れた。この類の税制恩典は、詐欺罪と見なされる。責任者は、刑事犯罪で罪に問われる。
同じような例が、リオ州サクアレマ市にもある。首都が五%のサービス税を徴収するところ、同市は〇・六%である。まだある。サンパウロ州サンターナ・デ・パルナイーバ市の〇・七%だ。
サンパウロ市近郊のバルエリ市は、サービス税を免除した。金融機関が一斉に本店を同市へ移し、他州の銀行まで同市へ本店を移転した。そのため他州のサービス税も、同市払いに手続きをした。
企業誘致合戦ではサービス部門の大企業が、市財政に熱中する地方自治体を食い物にした。サービス税の移管では、看板だけを移転した。バイア州サルヴァドール市は同州の大企業が本店をバルエリ市へ移転したことで、税金の奪還を検討している。
首都ブラジリアは本店がどこにあろうと、一律五%のサービス税を全企業から徴収している。これも行き過ぎで、他州から告訴される。サンパウロ市は市内で営業活動を行った全ての企業が、サービス税をサンパウロ市へ納めるよう要求した。いずれにしても、他州財政に抵触することで法廷論争は避けられない。