NHKの番組「海外安全情報」を視聴していると、日本を除き世界中、安全なところはないようである。全くそのとおりかも知れない。情報の提供は外務省である。地域別にどのように危険であるか、どう対処したらよいか、まるで幼稚園児に噛んでふくめるような教えぶりだ▼欧米人がかたまっている場所には近寄るな、親しそうに近づいて来る者は警戒しろ、安易について行くな、飲食物を奢られるな、サッカー・クラブのカミーザ着用の際十分留意しろ、などなど▼世界中が、そのように怖いにもかかわらず、日本人の海外渡航熱は依然として高い。これが、日本人がより国際人になる一つのステップだとすれば、同慶の至りだ▼外務省の情報は、けっして大袈裟(おおげさ)なものではあるまい。被害の事例がもとになっているからである。外務省としては、外国に出た日本人が「命の危険」にさらされないよう、警告している。実際、世界中が危険な状態であることは、事件の発生が伝えられるたびに、事件現場から遠隔の地にいても、ぴんと感じられる▼それにしても、「してはいけない」という禁止だらけ?の外国は、日本人にとってなんと不自由なことか、とは思う。そんな、危険いっぱいの国の一つに、わたしたちは移民してきて、暮らし、子孫を儲けている。子孫たちにとっては、掛け替えのない母国だ▼しかし、情報を発信している日本自体、近年は「あやしいではないか」の議論もある。どこに住んだらいいのか。(神)
06/01/27