全てポルトガル語で進行されたバストス日系文化体育協会の新年宴会。同地は戦前に造成された移住地のため二、三世に世代交代していることも理由の一つだ。そんなこだわりがある中で唯一、日本語の場面があった。「カラオケ」である。
しかも、大人ではなく十歳ばかりの子どもたちがこぶしをふるって、演歌を熱唱。振り付け、立ち居振る舞いは完璧だ。日本語はよく話せないが、歌詞の発音はいい。各地方カラオケ大会の光景に出会うのは珍しくないが、大人の「楽しみ」ではなく、子どもだけのカラオケというのは初めて見た。「日本語教師が子どもに演歌の歌詞を教えるなんて早すぎるよ」と憂慮する一世もいた。
競技としてのカラオケ。日本語継承のためのカラオケ教育?とでも言うのか。日本文化なのだが、また違った形の「ブラジル式」で継承されていきそうだ。 (南)
06/01/28