2006年1月31日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日、三十日】二十七日から二十八日にかけてリオデジャネイロ市を襲った集中豪雨は十三人の犠牲者を出すとともに、各所で被害のつめ跡を残した。犠牲者のうち六人はショッピングセンターの地下駐車場の車内で浸水により溺死するという木曽有の出来事となった。
今回の集中豪雨は二十日振りで一日一〇〇ミリを超え、各所で鉄砲水が発生し、一九九七年以来の九年振りとなった。これにより家屋が倒壊したり、水に流されて川に転落するなどで死亡者が続出した。
溢れ出た水がペニャ・ショッピングの地下駐車場に流れ込み、このため車内にいた六人が水死するという史上初の出来事となった。救出に当った消防の潜水犬によると、浸水は二分間で、高さ二・二メートルの駐車場が水浸しとなり、水を避けるために車内に入った人らは水圧で車のドアが開かず、車内にとじこめられて水死したと見ている。うち二人はハンドルを握ったままで残り四人は後部座席にいたという。警察ではショッピング側に事故防止に対する落度がなかったか調べている。
同市では降雨が二十九日も続き、各所が通行止めとなった。目抜通りのブラジル大通でも三ヶ所が出水で通行不能となり渋滞となった、これに便乗してピストル強盗が出現、車内の運転手が金品を強奪される事件が相次いだ。
一方でサンパウロ市では二十九日午前、激しい雨に見舞われたものの一日の降雨量が三三ミリで例年並みだった。それでも二十九ヵ所の街路が水浸しとなり通行不能となった。市当局によると十日にわたる乾燥期間で排水溝にゴミが溜り、それが水はけを悪くしているという。チエテ川では水位が三・五メートル上昇したが、その原因は雨水ではなく市内全域から流れ込んだペットボトルやプラ袋などのゴミのせいとのこと。
一月の例年の雨量は平均二三九ミリだが、今年は二十九日までに二四五ミリを記録してほぼ例年並にとなっている。昨年は二九〇ミリだった。