ホーム | 日系社会ニュース | ――パラグァイ日本語教師合同研修会――日伯など外国から講師=〃歴史〃聴き将来を展=混血児童増加や教室内で格差

――パラグァイ日本語教師合同研修会――日伯など外国から講師=〃歴史〃聴き将来を展=混血児童増加や教室内で格差

2006年1月31日(火)

 パラグアイの二〇〇五年度日本語教師合同研修会が二十七日から二十九日まで、同国南部エンカルナシオン市のレストラン「ひろしま」で開かれた。パラグアイ日本人連合会下の全パラグアイ日系人教育推進委員会(小松光広委員長)が主催。日本とブラジルからも講師を招きアドバイスを聴き、将来を見つめる機会を得た。アスンシオンを始め、アマンバイ、ラパスなどから約七十人が参加した。
 同国の日本語学校では、少子化で生徒数が減少。さらに混血児童の増加や非日系人子弟で教室内の学力差が広がった。その結果、「国語教育」が一部で通用しなくなり、「日本語教育」的なアプローチにも目を向けていく必要があるという。
 今回は、だるま塾の森脇礼之校々主(ブラジル)や中元司郎継承日本語教育センター所長(日本)など外国から講師を迎え、将来の日本語教育をみつめる機会になったようだ。
 森脇校々主は「日系社会における日本語教育の歴史と今後の方向」について、二時間講演。ブラジルでの日本語教育史を説明した上で、家庭教育の重要性や学校経営などについてアドバイスした。
 中元所長は二日目の講義で日本語教育には「継承」と「普及」の両面があると持論を展開。日系子弟にはルーツを知るために移民史を取り上げるべきだとした。最終日の講評では、現場での活動を実践報告として文章化していくことなどを勧めた。
 このほか、JICA日系社会シニアボランティアの沼井邦満さんや古杉征己ニッケイ新聞社記者による講義や本邦研修生の報告などがあり、盛りだくさんの内容だった。
 小松光広委員長は「講師の方から、経験豊富な意見が聞けた。森脇さんの話は実感がこもっており、迫力があった。日本語学校が一堂に集まり、交流することもできたのでは」と手応えを語った。
 初日の開講式には、大前誠之助在パラグアイ日本国大使館エンカルナシオン駐在事務所参事官兼領事、岡部近夫JICAパラグアイ事務所次長など来賓が訪れた。
 小田俊春連合会会長(エンカルナシオン日本人会会長)は、教師の長期的な確保のため最近、大幅に給与を上げたことなどを紹介していた。