2006年1月31日(火)
二十七日に開かれた県連一月代表者会議は、またしても第八回フェスティバルの会計問題で紛糾した。会計事務所作成による収支報告書を示して承認を求める執行部側と、あくまでも監事会から執行部に提出した質問状への回答を求める監事側との溝は結局埋まらず、承認を見送り。さらに、執行部に詳細な報告書等の提示を求める通告書を出した吉加江ネルソン県連相談役が、執行部の対応次第では法的手段も辞さない構えを見せるなど、事態は一段と深刻さを増している。迷走を続けるフェスティバル会計問題。五度の承認見送りを経てなお、出口は見えてこない。
第八回フェスティバル・ド・ジャポンの開催から半年。度重なる会計見送りを受けて、県連執行部は桜井会計事務所に収支報告書の作成を依頼して事態の収拾をはかろうとしてきた。
今年に入って完成した報告書をもとに、執行部では会計士をまじえた執行部会、監査役会、県連顧問・相談役会を開催。今年最初の代表者会議に向けて万全の準備を整えていたはずだった。
会議当日は桜井会計事務所からも担当者が出席。同事務所が作成したバランスシートの内容を説明した。
会計は承認に向かうかと思われた。しかし、説明後に発言を求めた正監事の大西博巳・広島県人会長はあらためて書類の不備などの問題点を指摘。さらに会計の疑問点について執行部へ提出した質問状への回答がいまだにない点を挙げ、「監査としては認めることはできない」との立場を示した。
これに対して田畑稔実行委員長、中沢宏一県連会長が事情を説明。
中沢会長は、不備書類の調査から会計事務所による報告書作成、会計士をまじえた会合の開催など執行部側の取組みを説明。「我々はできるだけ満足してもらえる努力をした」と語り、理解を求めた。
しかし、大西監事は「質問状に対する返事があり、納得できれば署名する」との立場を崩さず、承認はまたも見送られた。これに対して中沢会長が「(会計問題は)執行部だけでなく、県人会すべてに影響する問題。今日解決すべきだ」と語気を強める場面も。
度重なる承認見送りに他の出席者からは、先に執行部と監事が話し合いを済ませてから代表者会議に出すべき、とする意見も出された。
相談役「次の段階は裁判所」
さらに会場では、会計報告をめぐって執行部に通告書を提出した吉加江ネルソン相談役が発言を求め、執行部に対しあらためて同書への対応を求めた。
吉加江相談役による通告書は、昨年十一月に提出されたもの。執行部に対し第八回フェスティバルの詳細な報告書など六種類の書類を代表者会議に提示することを求めている。
会議で発言した吉加江氏は、執行部の通告書への対応を質すとともに、あらためて文書の提示を要求。「(もし対応がなければ)次の段階として裁判所を通して出してもらうことになる」と法的手段も辞さない考えを示した。
結局この日、二時間の会議は会計問題に終始。高橋一水副会長から、近日中に再度関係者による話し合いの場を設けることが提案され、審議は事実上打ち切られる格好となった。
最初の議題が終わらないまま終了する異常事態となった、今年最初の代表者会議。この日は他に、今年の日本祭の準備、県連創立四十周年事業、会長任期に関する定款改正案等などの審議が予定されていたが、これらの案件について触れられることはなかった。