2006年2月1日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】サンパウロ州保安局がとりまとめた二〇〇五年度の犯罪に関する統計によると、殺人が減少し、誘拐事件が増えたことが明らかになった。
意図的な殺人は昨年、七二七六件で二〇〇四年の八九三四件に対し一八・五%の減少となった。これに反し誘拐は一三三件で前年の一一二件の一八・七%の増加となった。これにつきアウキミンサンパウロ州知事は、殺人減少は警察の機動力の成果だと高く評価するとともに、誘拐については一件一件の内容を吟味して対応を検討する必要があるとの見解を示した。
殺人事件は統計が始まった一九九六年は一万四四七件で年々増加し、ピークの一九九九年には一万六一八件に達した。その後二〇〇〇年以降は減少をたどっている。サンパウロ市内では昨年二五七六件だった。
二〇〇四年は三四〇四件となった。このうち昨年は市内の八四区のうち六区のみが増加を記録したにとどまった。
増加したのはカンポ・リンポ区の一一九件(二〇〇一年では一〇六件)、ジャルジン・タボンの四七件(同三一件)、ピニェイロスの一五件(同一一件)、イビラプエラの一五件(八件)、パルケサンジョルジの五件(四件)、パウリスタの五件(二件)だった。逆に減少が顕著だったのはカッポン・レドンドの一一九件(二四九件)、ジャルジン・ダス・インブイアスの九一件(二一二件)、ジャルジン・ミリアンの七六件(一九七件)、パルケ・サントアントニオの七〇件(二〇六件)、ジャルジン・エルクラノの六五件(二〇三件)、シダデ・チラデンテスの三四件(一四三件)だった。
誘拐事件はサンパウロ市郊外での増加が目立った。サンパウロ州奥地では三九件で前年は二一件、サンパウロ市大都市圏では二六件で前年より一〇件増加した。反面サンパウロ市内は二〇〇四年の七五件に対し、六八件と減少した。
当局によると、大掛かりな組織はなく、二人ないし三人の少数グループが稲妻誘拐と呼ばれる電撃誘拐が高じて身代金目当の営利誘拐に発展するケースが多いという。
このほか増加した犯罪は、車の盗難(一・三八%増)、積荷強盗(一・〇九%)、麻薬取引(一三・三六%)過重暴力(五・八%)、交通事故(六・〇七%)、交通事故過失致死(一・八六%)、過失致死(一三・一五%)だった。