2006年2月4日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ市内で先週、母親が生後二ヶ月の実子を湖に投げ込み殺害を図った事件が全国に衝撃を与えたが、各地で幼児虐待が明るみに出て、当局では対応を迫られている。
前述の事件のほか、リオ・グランデ・ド・スル州カノア市では実の子供を殺害した夫婦が逮捕された。またベロ・オリゾンテ市では母親が幼児を路上に捨てたことが発覚した。
サンパウロ市では父親が子供の泣き声がうるさいと怒り歩行器を蹴飛ばして二階から落下したり、サンパウロ州サン・ヴィセンテ市では子守が子供二人に乱暴を働いたり、ミナス州では両親の虐待で一歳半の幼児が死亡するなどの事件が相次いでいる。
当局によると昨年サンパウロ州内で発生した十八歳以下の未成年への暴行は二万七九一〇件に上り、前年比七%増で年々増加傾向にある。
暴力はほとんどが両親あるいはいずれかによって行われ、彼らは精神障害か不安を抱えていて情緒不安の日常を送っているのが原因だという。このため幼児が泣いただけで暴力に走ってしまうとのこと。
サンパウロ市モッカ区で二日、二十六歳の父親が生後十一ヶ月の娘を虐待したかどで逮捕された。男は娘が泣き止まないのに腹を立てて乱暴を加えた後、歩行器に入れて蹴飛ばし三十段の階段の上から突き落とした。
その後ベッドに寝かしたままとしたが、仕事から帰宅した妻が異変に気づき病院に運んだ。
子供は全身を強く打って重体となっている。犯人の男は冷然と罪を認めたという。
サンヴィセンテ市では二十二歳の子守が四歳と三歳の兄弟に暴行している所を勤務先を早退した母親が見つけて警察に通報した。
女は現行犯で逮捕された。兄弟は全身に傷を受け、顔には噛みつかれた歯の跡が残っていた。
ベロ・オリゾンテ市では路上生活の一歳半の子供が全身打撲で死亡した。母親は同棲(家はないが)している恋人のせいにしているが、女の供述があいまいなことから警察で追及している。