2006年2月7日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】セーザル・シルメル下議(PMDB=民主運動党)は五日、ジョアン・P・クーニャ元下院議長(PT=労働者党)を下院倫理審議会で議員権はく奪審議にかける提議を上程する意向を明らかにした。元下院議長は、広報業者のヴァレリオ氏から裏金五万レアルを享受した容疑が持たれている。これは郵便局CPI(議員調査委員会)が、七日提出する報告書から元下院議長に関する調書を故意に外そうとする意図が見られると、同下議が告発したもの。同元下院議長は、享受資金が裏金であったことは全く知らないと弁明した。
下院倫理審議会は十日までに、ジョアン・P・クーニャ元下院議長とPP(進歩党)元リーダーのペードロ・ヘンリー下議の議員権はく奪表決を行うことになった。上程者らは、裏金に関与した議員は全員、議員権はく奪審議にかけるべきだと主張した。特に三人は下院で影響力を有し、上程文の起草には制約があることを示唆した。
十日までに発表される意見書にもう一人、ジョアン・マギノ下議(PT)も俎上に上がる噂がある。三人の弁護時間も入れると、表決は十三日以後へもつれ込む可能性がある。イザル倫理委員長(PTB=労働党)は、二人だけでも十日までに表決の意向を表明した。三月までにはジャネネ下議を除いて、裏金に関与した議員全員の審理を終えたいという。
上程者のシルメル下議は、郵便局CPIがPT所属議員の調書に手心を加えているという。同CPIはヴァレリオ氏の口座明細書と預金引き出し者の一覧表を報告書から外し、七日の提出期限に洩れるようにするなど一連の工作を施していると訴えた。
元下院議長が最初に行った供述では、議長夫人がルラル銀行から受け取りケーブル・テレビの受信料に払ったといった。それがソアレスPT財務担当の指示に従い、オザスコ地区の支持率調査で費用支払いに当てたのであって、裏金による選挙運動には当たらないと前言を翻した。倫理審議会は、元議長の証言の信憑性に疑いを持った。
元下院議長が疑惑の五万レアルについて党会計で処理された合法的資と思い、出所は全く知らなかったと追及の度、供述が交差した。三日にはPT議員が郵便局CPIに赴き、提出する報告書の提示を求め改ざんを試みた。
CPIによる元下院議長の議員権はく奪申請は保留したものの、PT議員による倫理審議会日参が始まった。下院本会議の表決阻止に向けた露骨な運動である。元下院議長の全盛時代、世話になった陣笠議員の倫理審詣でであった。
裏金関与で正式に告発された議員は、これまで下議十九人。そのうちジョゼ・ジルセウ氏とロベルト・ジェフェルソン氏の二人は議員権をはく奪され、ヴァウデマル・コスタ氏とロドリゲス氏、ロッシャ氏、ボルバ氏の四人が議員を辞任した。さらに四人が本会議で議員権はく奪の表決待ち、マベル氏とケイロス氏の二人は放免された。