2006年2月7日(火)
サウーデ文化体育協会は来年、創立四十周年を迎えるにあたり、記念誌編纂などの記念事業をすでに進めている。サンパウロ市南部に位置する同サウーデ区は、現在ではリベルダーデよりも日系人が多いといわれる。桂川富夫会長は「文協だけでなく、この地区全体の日系人の歴史を調査することを考えています」と抱負を語った。
日本語学校の双葉学園(安藤藤枝校長)が最初にでき、そこの父兄会が集まる場所がほしいという話からはじまり、婦人部も生まれ、現在の文協に発展した歴史があるという。この土地自身は、南伯産組の中沢源一郎氏の所有で、初代会長となった尾身倍一氏が話しをつけ、格安で譲ってもらい基礎を作った。
このような歴史を写真パネルにして、来客時にすぐにみられるようにしたいと考えている。「スザノの福博村に行った時、七十年の歴史がすぐにわかるように展示してあった。すごいと思った。あのようなものを自分たちも作りたいと思いました」と鈴木清ジョルジ学務部長はいう。
最盛期で三百家族の会員がいたが、二~三世になると日系団体に興味を示さなくなったり、デカセギで減ったりして、現在は百八十家族ほどだという。
二十九年前に同文協で働き始め、長いこと日本語学校校長を務めた矢野京子顧問は「多いときで生徒が二百九十人もいました。十二年前ぐらいでしょうか」と振り返る。
来年八月二十六日の四十周年記念日に向けて、記念誌と同時に、既報のようにマンガ日本移民史も刊行する予定だ。
文協としては珍しい活動として、今年一月から高齢者向けパソコン教室をはじめた。インスティツート・パウロ・コバヤシとの共同事業で、同文協内の一室に十六台のパソコンを置き、毎週授業を実施している。実費のみの徴収で、一般の講座よりはるかに安い。
桂川会長は「デカセギに行った子どもや孫と、インターネットで電子メールをやり取りできるようになって嬉しいという声を良く聞きます」と喜ぶ。「希望者が多くて現在満員です」。今はポ語版ウインドウズだけだが、「将来的には日本語版も入れ、日本語教育でも使えるようにしたい」との抱負も語った。
毎週土、日曜の午前に授業があり、対象は五十歳以上、講師は日伯青年会議所からボランティアで教えにきている。三菱、スダメリス銀行、CEPAIなどが協力している。