2006年2月9日(木)
昨年末、中国人女性がリベルダーデ区の食料品店で購入した「腐乳」(豆腐を塩水で発酵させたもの。調味料として用いる)が原因と見られるボツリヌス菌中毒で死亡したことを重くみたサンパウロ市衛生局は九日午後五時から、食料衛生管理に関する説明会をサンパウロ市リベルダーデ区にあるサンパウロ商業協会(ガルボン・ブエノ街83)で開く。サンパウロ市セ地区役所リベルダーデ担当コーディネーターのフェルナンド・ヒロさんは「レストラン、食料品店、ホテルの関係者は必ず来て欲しい」と説明会への出席を強く呼び掛けている。
リベルダーデ地区でサンパウロ市衛生局の監査を受け、営業停止処分になった東洋系食料品店は二店。
「清掃の必要」を理由に三日、営業停止処分を受けたエスツダンテス街42の「東洋食品店」、感染源と見られる瓶詰め「腐乳」を販売した同区駅前広場前の「東亜食品公司」両店とも、八日午後現在で営業を再開している。
問題の「腐乳」は中国のチーズとも言われており、栄養価も高く、中華料理の重要な調味料の一つ。豆腐に香辛料を加え、塩水のなかで発酵させたもので、日本食でいう「豆腐」とは全く異なったものだ。
この状況を受け、他食料品店では、野菜や加工食品の店頭販売を自主規制、陳列ケースを清掃する姿も見られた。
ある食料品店で働く六十代の日系女性は、「野菜や弁当は今置かないようにしている。フィスカルがいつ来るか分からない」と困惑顔。仕入れ元となっている各業者への影響も大きいと見られるが、現在はほぼ落ち着きを取り戻しているようだ。
ヒロ氏によれば、「ピニェイロス区にある弁当製造工場にも監査が入り、食品についたカビが発見され、営業停止になっている」という。
「アンドレア・マタラーゾ地区長は観光地であるリベルダーデを重要視しており、日本食の伝統を守りたいと考えている」という。今やサンパウロを代表する料理、寿司の好イメージを瀬戸際で守る考えもある、とヒロ氏は見る。
九日に行われる説明会は、三人の衛生局監督官が担当し、殺鼠剤などを配布。中国系商店主に対応するため、中国語の通訳も現在探しているという。
出席者には後日実施される安全衛生コース(四時間)の受講を呼びかける。
「この説明会を受けておくのはとても重要なこと。今度監査が入ったときにも、とても参考になる」と関係者の参加を呼びかけている。