2006年2月11日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】謹慎中のジェフェルソン元下議は九日、労働者党(PT)やブラジル社会民主党(PSDB)、ブラジル労働党(PTB)がフルナス電力公団のトレード元取締役に対し、保身を条件にゆすっていたことを明らかにした。役職に留まるために毎月、PTへ一五〇万レアル、PSDB所属の下議十二人へ六〇万レアル、PTBへ一五〇万レアルと四〇万レアルを上納し、重役室経費として処理することを示し合わせた。PSDBとの癒着によりルーラ大統領によって更迭された元取締役は、郵便局CPI(議会調査委員会)に召喚される。
ジェフェルソン元下議は裏金暴露でPTの屋台骨を揺るがし、第二弾としてフルナスゲートのブラックリストをちらつかせた。当時フルナス電力公団の取締役であったジーマス・トレード氏が二〇〇五年四月、元下議の自宅を訪ねた。役職留任の見返りに元下議がPTBへ毎月一五〇万レアル、合計で毎月四〇〇万レアルを上納するようゆすった。
フルナス電力の上納金は政府への協力として、ジルセウ前官房長官の了承を得て受領された。PT政権の政治危機を引き起こした爆弾男は、憎悪の応報は食傷気味であるとブラックリストの中味を公表しなかった。同リストの面々は、前官房長官の指示した者たちだと述べた。
前政権時代に臨時総裁だった同取締役の留任は、前官房長官の了承を得たことで確認されたはずだった。その後、大統領が留任の理由を質した。前官房長官の了承を得たことを告げたが、大統領の更迭命令で同取締役の交代は余儀なくされたと同元下議がいう。
同元下議は、大統領が同取締役と前官房長官の上納協定を知らなかったようだという。その上大統領は、臨時総裁だった同氏をネーヴェス・ミナス・ジェライス州知事の腹心と見ていた。フルナ電力からミナス電力へ渡った一〇億レアルの資金提供は、ミナス知事の功績のように宣伝した。しかし、同資金は連邦政府の交付金で、この茶番劇を大統領は不快としていた。
元取締役の後任としてスピランデル氏の名が浮上したが、就任直前に待ったがかかった。週刊誌ヴェージャに同氏の告発記事が掲載され、大統領府が差し止めたからだ。PT政権の人事は、国家情報部(ABIN)の暗躍に振り回される。これはPTに表裏二つの出納部があるからだと、同元下議は鹿爪らしくいう。
フルナスのブラックリストには与野党の主要政治家が名を連ねているが、事実の信ぴょう性については確信がないと同元下議は逃げた。フルナス電力の総裁交代劇でご馳走に預かった議員らに更迭を知らせたところ、後任は聖人でなければならないと異口同音にいった。全党のミナス州出身議員が関与しているからだ。
郵便局CPIは、トレード元取締役とPTの広報を担当したドゥーダ氏を召喚したので、CPIが調査委員会ではなく政争の舞台だと与野党議員が口論した。フルナスのブラックリストに掲載された議員は百五十六人。〇二年の選挙で裏金の供与を受けた議員たちである。
フルナス電力は一九五七年に創設され、南東伯地域の送電網と水力発電所九カ所、火力発電所二カ所を統轄している。