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中国企業と輸入枠設定で合意=伯繊維業界の交渉努力実る=セーフガード回避で開発省も歓迎

2006年2月11日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】中国からの安価な繊維製品が急増し、対応を迫られていたブラジル繊維工業協会は九日、中国の企業との間で一定の輸入枠を設定することで、合意に達したと発表した。
 協定の対象となったのはブラジル国内産業が混乱に陥ったとされる絹織布、合織、ポリエステル繊維、ビロード、メリヤスシャツ、セーター、ジャンパー、刺しゅう製品の八品目で、二〇〇八年十二月までブラジル側が輸入枠を設定する。これらの品目はブラジル市場の六〇%を占め、さらに拡大傾向にあった。業界は一定のシェアーは認めるものの、目に余るものに歯止めをかける姿勢を示してきた。
 昨年九月に大統領令により中国製品のダンピングによるセーフガード(緊急輸入制限)が認められたことで、業界は提訴に向けて作業を行ってきた。中国側はセーフガードが適用されると輸入枠の設定のほか、関税の課徴金が課せられ競争力がなくなり市場から閉め出されることになるため、これを避けるために歩み寄りを見せてきた。中国は同じ問題で米国やEUともめた経緯がある。
 それを踏まえて協会はコテミナス社長(副大統領の息子)を団長とするミッションを北京に派遣し、今週三日間の交渉で前述の合意に達した。
 今後詳細の詰めを行い、両国の担当大臣が協定書に署名した上で実行される。ただ実行前にいわゆる「駆け込み輸入」の可能性があるため関係当局ではチェックを厳しくするとの意向を示している。過去にEUが輸入規制を決めた時、この駆け込み輸入がラッシュとなり、港湾は中国製品で溢れた。
 産業開発省では他業権に先がけた今回の民間主導協定に歓迎の意を表している。セーフガード適用には、輸入品の実態や価格の動向、それによる国内産業の損失や被害など、多岐にわたる項目を例に挙げて実証する必要があり、数カ月を要し、さらに政府内での検証にも時間がかかる気の長い話となる。
 しかし今回の協定では三十日後に実行に移させる容易さでメリットがあると関係者らは強調する。さらに中国側は他業権についても「交渉のテーブルに着くことはやぶさかでない」との態度を表明しているという。