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聖南西の教師ら合同研修会=日語教育情報を収集=技術向上はかり親睦深める

2006年2月11日(土)

 聖南西教育研究会による教師合同研修会が、去る一月二十四日から二十六日までの三日間、コロニア・ピニャール日本語モデル校と青年図書館宿舎で行なわれた。この研修会は、日本語教育に関する情報の収集と、教育技術の向上を図るとともに、地域の教師の親睦を深めることが目的。
 聖南西地区の二十四人の教師が参加し、初日午前九時半、聖南西スポーツ文化連盟の高野信喜教育担当理事があいさつして開講。
 午前中はグループに分かれての教材分析を行い、午後からは国際交流金の吉川真由美講師による教授法についての講義が行われた。日本語指導一般についての理論的なことと、それを現場へどのように応用するのか具体的な例を交えて話し、参加した教師は質問をしたりして真剣に聞き入っていた。
 次いで、サンパウロで老ク連をベースに活動しているJICAシニアボランティアの宇野妙子講師により、体を使ったレクリエーション活動と折り紙指導が行われた。教師たちは生徒のように楽しんだ。「とても楽しかった」「生徒たちにやってみたい」という声が多く聞かれ、日本語学校におけるゲーム・レクリエーション活動の意義を実感した様子。
 夕食後は「授業で困っていること」についての懇談会が行われ、各学校の問題点や悩みなどが話し合われた。それぞれの問題に対しての解決策を見出すことが目的ではなく、教師が持っている悩みを他の教師に話したり聞いたりし、それらを地区の教師が共有し、またそれぞれの学校の様子を知ることが目的。参加者達は気楽に意見を述べ合い、予定時間を越え夜遅くまで話し合いが行われた。
 二日目は、サンパウロで幼児教育を行っている土屋和子講師により「幼児教育」についての講義が行われた。土屋講師は日本の大学で幼児教育を専攻し、以前日本の幼稚園で先生をしていた。日伯両国での豊富な経験と知識に基づいた講義が繰り広げられ、普段、幼児に対して教育を行っている教師だけでなく、他の教師もみな非常に興味深く聴講した。
 聖南西地区派遣JICAシニアボランティア、加藤眞理講師による音声の講義は、イントネーションやアクセントの違いを意識させ、お話発表会の指導の際に役立つ内容だった。
 午後は、作文を中心とした書く能力のグループと会話力のグループに分かれ、それぞれの能力の向上を目指した話し合いが行われた。
 この日の夕方、突然の嵐により停電になり、翌日まで電気が回復しないというハプニングがあったが、予定には影響なく、逆にコロニア・ピニャールの大自然の中で取る、ろうそくを灯した夕食に教師たちは感動した様子。
 三日目。原田陽子、加藤志保、両JICA青年ボランティアとコロニア・ピニャール日本語モデル校の原たずこ教師により、実際の現場で役立つ文法授業についての講義が行われ、昼食後、閉講した。
 教師たちは「非常に有意義な研修だった」「先生の距離が縮まった」という声があった。