2006年2月15日(水)
去る二月七日にブラジル日本商工会議所(田中信会頭)の主催で、毎年定例の業種別部会長懇談会がホテル・クラウンプラザで行われ、西林万寿夫サンパウロ日本総領事以下、およそ九十人の聴講者が参加した。以下は「今年の大統領選挙をこう考える」と題して行われた赤嶺尚由コンサルタント副部会長(ソール・ナッセンテ人材銀行代表)の報告発表の内容である
会場の一般席に座っていらっしゃる西林万寿夫在サンパウロ日本総領事、歴史ある開かれたチャレンジするブラジル日本会議所の田中信会頭、本日の業種別部会長懇談会の準備や運営のために大変に汗を流して下さっている多田総務委員会委員長、金岡企画戦略委員会委員長を始め、又、多分、お役目柄のせいで、私が一体何を話そうとしているのか見守るおつもりでしょうか、会場の一角から既にこちらの方に少し厳しい監視の目を向けていらっしゃるご様子の山田唯資監事会議長を始め、ご出席下さった多勢の皆様方を目の前に、このような高い所に立たされ、そして、今年上半期の業種別懇談会で報告の初球を投げる者として、早くもネルボーゾ気味に陥っているところです。
それでは、少し気持ちも落ち着いたところで、私の本日の報告に移ります。今年のブラジルは、俗に「政治の年」と言われます。それは、四年に一度の大統領、二十七州知事、上院議員の定員の三分の二に相当する五十四議席の改選、五百十三人の下院議員全員を一緒に選ぶための総選挙が十月一日に同時に行われからです。その中の注目の的は、やはり、大統領選挙の行方がどうなるか、更にその中の最も大事な焦点は、ルーラ大統領の再選続投が果たして実現するかどうかにあります。
両候補ともまだ正式に決まったわけではありませんが、以下、「ルーラ候補」「セーラ候補」と省略します。尚、政権の座を握ってからも、昔、極端に左寄りだったPTは、中道の方へ、同じくやや左がかった党色を帯びていたPSDBも、中道の方へ歩み寄ってきていると言うか、収斂してきており、既に選挙での幅広い票稼ぎを意識した政治路線の変更とか軌道修正を行っている様子も感じ取れます。極端に走っては、共に票稼ぎが難しいからです。
ここで、本日の私の報告の結論部分からまず先に申し上げます。肝心の大統領選挙で誰が勝つかに就いては、あと八ヶ月以上も有りますので、どうしても当たるも八卦式の霧の中を行くような不透明な予測の側面を伴わざるを得ませんが、私は、目下のところ、ずばり、セーラ候補(63歳)の当選を予想しています。あるいは、もうちょっと踏み込んで、そういう可能性を相当程度に肌身で感じつつ、又、既にこの国へ帰化していて、たった一票ではありますが、選挙の都度、欠かさずに選挙権を行使してきている者としてのささやかな期待でもあります。