2006年2月15日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】国庫庁のレヴィ長官が、ブラジルは虎とはいわないが豹ではあるとのたもうた。まだ正式発表はないが、二〇〇五年度の経済成長率は三%位と同長官はいう。選挙の年だというのに、ブラジル経済は格好がつかない。
ところがダヴォスの経済フォーラムでは中国とインドが主役で、ブラジルのブの字も出なかった。中国やインドにできて、何故ブラジルにできないかがブラジルに突きつけられたテーマとなっている。
青菜に塩はブラジルだけではない。メキシコを始めとするラテン・アメリカが、低率経済成長で全員討ち死にだ。ラテン・アメリカ代表の重苦しいダヴォス会議が設けられ、アジア勢ダイナミズムの源泉は何かを研究し始めた。
中国インドとの圧倒的相違は、質の高い労働力が遥か安価に、しかも大量にあること。それに、アジア勢の約束厳守の習慣がある。その他、訓練や調査への投資、敏速な手続き、少ない汚職、戦略不在によるチャンス喪失が少ない。
ラテン・アメリカの弱点は、FTAA(米州自由貿易圏)を巡って同域内が分裂していること。これは政治にこだわり、通商に疎いからだ。メキシコのレオン前大統領は、カルドーゾ前大統領に教えた。ブラジルは、地政学的にメルコスルから得るものは少ないと。グロバリゼーションの中で考えることだ。
ラテン・アメリカは共同市場をつくるのに、まず同盟関係を結んで強大国をつくり、周辺諸国が追随するモデルを採用した。しかし、強大国は生まれなかった。強大国がない小国だけの共同市場は、機能しない。
ブラジルとメキシコは同盟関係の強大国を模索したが、政治的未熟とインフラ未整備で挫折した。だがブラジルとメキシコには、中国インドに優る点があるという。それは安定した政治と経済だというのだ。しかし、政治の安定だけが能ではないと笑われた。