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〃白い黄金〃アルコール=砂糖とも需要はうなぎ上り

2006年2月15日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】アルコールが綿に代わって「白い黄金」の称号を受け、砂糖と隣合わせで魅力ある投資対象の王座に構えている。アルコールは長年不遇の身をかこってきたが、いまやアルコール醸造界に革命を起こしている。日増しに過熱する需要で砂糖とアルコールの価格は、うなぎのぼりである。生産者は国内市場をまかないながら、海外市場へも供給する必要がある。サンパウロ州では二〇〇六年に七億ドルを投じて十九精製所が建設される。さらに計画中のものは八年以内に、八十九精製所で、一億二〇〇〇万トンのさとうきびを処理する計画が進行中である。
 〇六年度の計画では八億リットルのアルコールを生産予定なので、一〇〇〇万トンのさとうきびを集めねばならない。しかし、実際は需要が予想を上回る。〇六年はフレックス車が大量に売れたため、需要は一〇億リットルを上回るとみられている。
 いっぽう砂糖は二十四年来の高値を付けているので最大手のウニカは、できるだけアルコール輸出を減らす考えだ。ただ政府がアルコールを世界市場に普及する計画なので、輸出削減は不本意ながら国家計画に逆らうことになる。
 アルコールがこんなに注目を浴びたのは、フレックス車が地球温暖化に効果があり、原油不安に備えての準備ともなるからだ。さらに順風が吹いているのは、難航不落のEU市場へ、ブラジル産の砂糖が入り始めたこと。
 酪農一家で有名なカブレラ前農相一族が、八十年の伝統を破って牛乳からさとうきびへ商売替えをした。同一族は、全ての乳牛をせりに出した。二月十二日が、最後の搾乳である。グループ企業が同農場へ一億レアルを投じて精製所を建設し、カブレラ前農相との合弁になる。
 マラニョン州も、アルコール生産でふるさと創生に挑戦することを宣言した。同州は農地の提供とロジスチック整備を強調し、二十精製所の招致と十年以内に一億リットルのアルコール生産を計画している。
 候補地は、同州のインペラトリース市とアサイランジア市を中心とした四〇万ヘクタールだ。計画にはコスタピント・グループとコイメックス・トレイディングが、食指を動かしている。残る問題は州政府が、イタキ港のロジスチック整備を行い、アルコール・タンクを港湾に建設する資金をどこで調達するかにかかっている。