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東西南北

2006年2月16日(木)

 勤続三十四年の市警署長が十二日夜、家族とともに自家用車でサンパウロ市内を走行中、バイクに乗った四人組の男に襲われた。ドアを開け、ベルトの銃を見て強盗が動転したすきに署長は反撃、空に向けて威嚇射撃し、強盗らは退散。署長は跡を追いかけたが、強盗らは逃げ失せた。「初めて強盗にあったが自分は心の準備ができていたので反撃した。みなさんは絶対反撃しないように」とコメント。
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 サンパウロ州検察局は十三日、家政婦の十六歳の少女を不法監禁し、暴行していた企業経営者の男(31)とその妻を起訴した。少女は昨年十月以降、月給三〇〇レアルで住み込みで雇われたが、休日なしに働かされた上、男に乱暴され、逃げないよう家に閉じ込められていた。監禁された少女を発見した男の姪が合鍵を渡して逃亡させ、事件が発覚。
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 十三日夜、サンパウロ国際空港を出発しベロオリゾンテに向かっていたヴァリグ航空機から、離陸直後にたて十五センチよこ二十センチのタービンの部品が落下、民家の天井を破り台所を直撃した。民家には年金生活者の夫婦がいたが、他の部屋にいてけがはなかった。
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 犯罪王国が思わぬ副産物をもたらしている。ブラジルは防弾装備を施した乗用車生産で、世界のトップにある。上流階級では、家族の一人一人に防弾装置つき乗用車を宛がうのが習慣らしい。同車両の生産では、防弾ガラスが生産原価の三〇%を占める。ブラジルは防弾ガラスの品質と生産技術で、米国を始め中東諸国に定評がある。誘拐拉致に備えた設計が施され、マグナム44の弾丸に耐える。外国からの注文には、実戦用の銃器に耐えるものもある。