2006年2月17日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】個人住宅購入での長期月賦ローンの残金支払いが五〇%以上も減額されることになった。年々天井知らずのローン代金上昇にともない支払い滞納や放棄が増加しており、これに市中銀行の不良債権が総額三五億レアルに上ったことから、中銀が見直しを決めたもの。
住宅ローンは過去数年間、インフレと高い金利がそのまま盛り込まれて市場価格の数倍にはね上り、ローンもこれにスライドしていた。中銀は今回の見直しで、ローンの基本価格を現在の市場価格に戻した上で、購入者の所得に応じた月賦金額を設定するもの、市中銀行には中銀が強制積立預金の減額などで便宜を与え、新しい融資の資金源とすることを検討している。
一例を挙げると九〇年代に二四〇カ月のローンを組んだ住宅は現在一一・三八%の年利とインフレや税金が加味されて月賦が三〇七・七一レアルとなっており、ローンの残金は三九万五一七〇レアルとなっている。しかしこの家の市場価格は一〇万レアルのみである。新規契約は残金を一〇万レアルとして頭金一万レアルを徴収した後、九万レアルを対象に月賦金額を設定し、これにより不良債権の一掃を狙う。