2006年2月18日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】外国投資家が国債や連邦公債を購入する際にブラジルの所得税を免除する暫定令二八一号が十六日、連邦官報(ジアリオ・オフィシアル)で公示された。
同時に技術開発にともなうベンチャーキャピタルへの投資も同様免除となった。さらに企業が増資を目的とした株式購入には金融取引税(CPMF=通称小切手税)も免除されることになった。これらは長期期限付のものに適用される。
レヴィ国庫庁長官は、長期資金確保による債務一掃とともに金利の引き下げ、カントリーリスクの低下につながるとみている。さらにこの措置で年内に四〇億ドルの外資の流入が見込まれ、これまでの国債発行額の五〇億ドルから一年間で倍増するとの見方を示した。
暫定令による新措置は、所得税をこれまでの一五%からゼロとするもの。これによりすでに国債を購入した投資家はこれまでの所得税を八月までに支払った後、新たに免税分として新規投資に回せることになった。また、ベンチャーキャピタルも従来の一五%から免税となった。企業のCPMF免除は証券取引所以外の取引でも、増資にともなう公債購入に適用され、この場合は外資にとらわれず内国資本企業も対象となる。
今回の措置は外国投資家に門戸を解放するもので、先進国では、すでに実施されている。ただし国内投資家向けは従来通り一五%から二二・五%の所得税が継続して課せられる。このため、国税庁では外資を装った外国口座からの国内資金が不正に流入しないよう、厳重に監視する方針を示している。
財務省によると、今回の措置で外資の流入が増えることで、金利および国債発行コストが削減され、向こう五年間で七二億レアルの節約になるという。今年のみで一二億レアルが見込まれている。
いっぽうで所得税免除により税収は今年で一億五二三〇万レアル、二〇〇七年と二〇〇八年はそれぞれ一億六五二〇万レアル、一億七九二〇万レアルに達すると見られ、損得比較で今回の措置は大きなメリットを生み出すと強調している。
今回の措置はすでに市中で広く知られており、これを見込んですでに大量のドルが流入したため、外国為替のドル市場は安値更新を記録してきた。暫定令発表とともに十六日の為替相場の終値は一ドル二・一一六レアルとなり、二〇〇一年三月二十日以来の安値となった。