2006年2月18日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】国内最大規模のファベーラと言われるリオデジャネイロ市のロッシーニャ地区で十五日、麻薬組織団同士の抗争で銃撃戦が繰り広げられ、六人が死亡し、八人が負傷した。
死亡者のうち一人は組織団員だったが、残りは同ファベーラの住人で巻き添えをくって、流れ弾に当たった人たちだった。負傷者の六人も同様で、住人は麻薬抗争が絶えないため、不安と恐怖におののいている。
また犯罪グループが逃走の際に隣接するガヴェアとレブロン地区の高級住宅やマンションに押し入り金品、逃走用の車を強奪したことで、同地区の住民は当局に対して治安の強化を申し入れた。
リオ市内の麻薬密売の縄張り争いは、熾烈化して抗争が絶えず、これまで多数の死者が出ている。ロッシーニャ地区では麻薬組織団アミーゴ・ドス・アミーゴス(ADA)が牛耳っているが、これを奪取すべく対抗組織のコマンド・ヴェルメーリョ(CV)が襲撃した。
十五日午後六時ごろ、CVのメンバー四十人が二手に分かれ上方と下方からロッシーニャ地区に侵入したことで両組織の間で激しい銃撃戦となった。住民が帰宅し、子供が授業を終える時間帯で、地区は人通りが多かったためパニックに陥った。無差別銃撃となったことで巻き添えとなって多数が被害にあった。十四歳の下校途中の少年も流れ弾に当たって死亡した。
侵入したCVメンバーらは防戦に抗しきれず敗走を始めた。このうち四人の犯罪者らはガヴェア地区のマンションに押し入り、住民を人質とした上で警察に通報させ、駆けつけた警官に保護を申し出た。残りはレブロン地区の住宅を襲い、車を強奪して逃走した。警察はCVの本拠地、コパカバーナ地区のファベーラを強制捜査して盗難車を押収、五人の襲撃犯を逮捕した。