2006年2月21日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】ドル安に拍車がかかる中、工業界特に輸出が大きなウエイトを占める企業が青息吐息の様相を呈しているのとは裏腹に、商店筋では為替相場にスライドして輸入品の値下げを断行するところが出てきたため、消費者には朗報として迎えられている。また旅行好きな向きにはドル安は千載一遇の時期到来ととられ、折からのカーニバル休暇を海外で過ごすラッシュとなっている。この状態で推移すると国際便が不足するとして航空業界では嬉しい悲鳴をあげている。
輸入品を販売する小売店によると、今年に入りドル相場は一〇%の下落となっており、販売価格もそれに並行して値下げ傾向を見せているため、順調な売行きとなっているという。過去六カ月間で平均一五%から二〇%の値下げを断行、今後もこの傾向は続くと予想している。
小売店の中にはドル建ての価格を設定し、一週間毎にレアル値に換算しているところもある、しかし税金や人件費などのコストはレアル建てとなるが、薄利多売の基本原則に徹する構えを見せている。
例を挙げると、フランス産ワインは当初九一レアルだったのが現在は六九レアルとなっている、またレバノン産ピスタジオは六〇レアルから五〇レアルへと下げた後、現在は四一レアルとなっている。
高級輸入車も値下げで売行きを伸ばしている、カーマニアに人気のあるチェロキー・スポーツとPTクルーザは在庫が切れて四十日間の順番待となっている。共に四カ月前の値段は前者が一三万七〇〇〇レアル、後者が九万六〇〇〇レアルだったのが現在はそれぞれ一一万五〇〇〇レアル、七万五〇〇〇レアルとなっている。ある輸入代理店では一月に二十五台売れ、昨年同月の十台を大きく上回った。今月はこれまでに二十一台に達すると見ている。
ドル安は海外旅行に拍車をかけて、カーニバルを利用しての旅行でこの期間中航空便は満席の状態となっている。路線によっては予約で六カ月前から満席となっているところもある。とくに人気があるのはアルゼンチンがトップ、次いでアメリカのディズニーランドで、国内旅行代理店協会によると、ドル相場が二レアル近くになると、一五%の利用増となり、航空便が不足する事態に陥ると危惧している。