2006年2月22日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日】ルーラ大統領は二十日、ファルマシア・ポプラール(大衆薬局)計画を三月以降、拡大して実施に移していくことを決定した。大手薬局チェーンと提携し、大衆薬局の販売店を今年末までに全国で二千店舗にまで増やす計画で、同薬局を通じて、主に公立研究機関で製造された安価な医薬品を貧困層や中間層の人々に提供していく考えだ。
同計画は二〇〇二年の大統領選挙で当時候補者だったルーラ大統領の公約となっていた。しかし、労働者党(PT)が政権を握った後、内部の意見の対立により実施が先送りされ、実施遅れにしびれを切らした大統領の命令により、〇四年六月に最初の販売店の設置が始まった。
現在、大衆薬局の販売店は全国に百十一店舗あり、各市や慈善団体との提携により、さらに二百六十六店舗が設置される予定となっている。大統領府の補佐官によると、計画の一〇%に当たる二百店舗は、今年の大統領選で対立候補となるサンパウロ州知事またはサンパウロ市長のお膝元であるサンパウロ市に設置する意向だという。
昨年末から大統領は、裏金スキャンダルを乗り切り、無料政見放送が始まるまでのつなぎとして、最低賃金を三五〇レアルへの引き上げなど、「善意パック」と呼ばれる社会政策を実施。今回の大衆薬局はその一環とされている。