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W杯に意気込むセックス産業=欧州のブラジル人売春婦は1万人

2006年2月24日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】六月から七月にかけて行われるサッカー・ワールドカップ開催国のドイツでは、観戦客を目当てにセックス産業界が腕によりをかけて誘致の準備に余念がない。ドイツではマッサージハウスやポルノ映画館とともに売春も公認されているため、この期間中、世界各国から売春出稼ぎが集まるとみられている。関係当局では売春婦は三〇%増に膨れ上がると予想している。
 これにともない千載一遇のチャンス到来と見なして国際売春組織の暗躍も広がることで、女性の権利保護を担う当局やNGO(非政府団体)などが、非合法売春の防止キャンペーンを展開する。ヨーロッパではブラジル人女性の売春出稼ぎが最低一万人いるとされ、そのほとんどが組織に縛られて強制労働させられている。
 組織は偽造パスポートで入国させ、パスポートを取り上げた上で、旅費や滞在費などを借金と称し、その返済の代わりに売春を強要する。さらに北東部を中心に組織が介在し、言葉巧みに海外に不法入国させていることからブラジル当局でも警戒を強めている。
 ヨーロッパ諸国では売春禁止令が施行されていないため、外国人売春婦は正確な統計はないものの約五十万人と言われている。このうち毎年一千人が当局に保護を求めて駆け込むという。しかし、組織の制裁を怖れて耐える女性がほとんどだとのこと。キャンペーンではアウトドア広告で、客に対して売春婦の強制労働の告発を求めるとのこと。もちろん客のプライバシーは守秘する。
 ドイツでは約四十万人の売春婦が存在すると見られている。これらは個人自由業として認められ、月収二〇〇〇レアルを基にした所得税を支払うことで社会福祉が受けられる。生命保険や健康保険のほか、二カ月以上の休職を立証すると失業保険が支給される。当局によると売春婦は四つのタイプに大別されるという。第一はドイツ女性で正規の売春婦、第二は正規の外国人女性、第三は麻薬欲しさの売春婦(麻薬組織下に置かれる)。第四は不法入国者(売春組織下)。